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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第86章               

「ほら、最後に俺のをいっぱい感じてくれ」

 両乳首の先を兄の大きく開いた片手でくにくに押し潰され、もう片方の手で肉芽を指の腹で押し潰された。

「……――っ!?」

(なに、これ……っ いやっ なんで? いやぁっ 締まっちゃうのっ)

 片手だからか同じ振動で同じ強さで同時に弄られた乳首は、左右それぞれ弄られた時より倍以上の強い刺激となり、膣内の兄の陰茎を信じられないほど締め上げた。

「ああ、凄いっ いい子だっ く……っ ぁあっ 突き上げたいっ」

 目の前の匠海が、苦しそうにヴィヴィを見下ろしていた。

 膣内の兄の陰茎も限界が近いようで、びくびくと震え上がっていた。

「そろそろ、イきそうだ……っ、いいか?」

 身を焼かれそうな強烈な刺激から早く解放されたくて、ヴィヴィはハンドタオルを咥えたまま、こくこくと必死に頷く。

 けれどふと手の動きを止めた匠海は、真剣な表情でヴィヴィを覗き込んでくる。

「ヴィクトリア。本当に、いいのか――?」

 匠海のその問いに、ヴィヴィの心は氷を当てられた様に瞬時に冷え切った。

「……――っ」

(なんで、聞くのっ 確認するの……っ!?)

 何故か2度繰り返して確認してくる匠海に、ヴィヴィの火照った躰はもう我慢ならなくて、ぼたぼたと涙を落としながら再度頷いた。

 再び与えられる両の乳首と肉芽への強すぎる刺激に、ヴィヴィは眉間を寄せ、その膣が締まり、腹筋が引き攣れそうになるのに耐える。

「ああ、こんなにとろとろなのに、凄く締まるっ」

 その匠海の切羽詰まった囁きを耳にしながらも、ヴィヴィの達しそうな躰と冷えて正気に戻った心は、鈍い音を立てながら乖離していく。




    『いいか?』

    『いいか?』

    『いいか?』




 ロンドンで抱く度、毎回兄が聞いてくるその確認。

 訊ねてくる声音や態度は毎度違えど、匠海が自分にしている事は毎回同じ。
 
 兄として『妹』という絶対に手を出してはならない、三親等内の傍系血族を抱くという禁忌を犯す背徳感、『妹』の全てを貪りその膣内で吐精出来る征服欲、で抱いているだけ。

「……――っ」

 ヴィヴィの薄い胸に、ずきりと大きな音を立てて痛みが走る。

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