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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第88章
「……や、じゃ、ないけど……」
兄の瞳から視線を落とし、所在無げに瞳を彷徨わせていると、軽く顎を掴まれた。
「じゃあ、もっとしよう……?」
「もっと……?」
「ああ、もっとだ……」
兄の熱く潤んだ瞳に釘付けになっていると、いつの間にかまた唇を奪われていた。
優しく唇の合わせ目を撫でられ、ゆっくりと妹を伺いながら忍ばされる厚い舌。
くすぐったい場所を舌の先で突かれ、きゅっと両肩を窄めたヴィヴィを、匠海が両手で撫でてあやしてくる。
そしてねっとりと絡められる舌。
擦り付けられて、舐め取られて、捏ね繰り回されて。
(……お兄ちゃんの舌、だ……。お兄ちゃんの味……)
1ヶ月ぶりの兄の感触に、ヴィヴィは次第に翻弄されていった。
細い糸を張って離れた兄の唇。
そしてくすりと優しく微笑む、目の前にある匠海の美しい顔。
(やぁ……、ずる、い……)
「震えてる……。可愛いな、ヴィクトリア」
何故か小刻みに震えるヴィヴィの躰を優しく撫で回す兄の大きな掌に、その震えはさらに強くなっている気がした。
「も、もう……、駄目……」
いつの間にか縋り付いていた匠海のシャツから手を放したヴィヴィは、兄の胸に両手を付いて押し返す。
「ん? 胸、可愛がったら駄目?」
「……ダ、メ……」
匠海の表情を見てしまったら、またほだされてしまいそうで、ヴィヴィは目を逸らしたまま眉をハの字にした。
「じゃあもっとキス、しよう」
有無を言わす隙を与えず、また兄の顔が近付き、簡単に唇を奪われてしまう。
そのまま匠海から与えられる濃厚なキスを受け止めていると、制服の上からヴィヴィの胸を柔らかく揉み始めた兄の掌に気付いた。
「んっ ……いいよって、言ってない~っ」
唇を離された瞬間、ヴィヴィは不服そうに小声で喚く。
「俺に胸触られるの、嫌?」
「え? い、嫌ってほどじゃ……」
(その訊き方、ずるいってばっ)
「じゃあ、可愛がらせて? 脱がせないから」
そう言って大きな両掌で妹の乳房を鷲掴みにした匠海は、心底嬉しそうに揉み始めた。
「……う、ぅん……。……っ ぁ……っ」
シャツと下着越しとはいえ、乳房全体を大きく揉み込まれると気持ちいい。