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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第88章
「馬鹿。本当だって。乳首だって小さくて、薄紅色で可愛らしい。これからはいっぱい、吸ってあげるな?」
まるでこれからの日々を妹に自覚させようとでもいうように、乳首の辺りを制服の上からちゅうと吸い付く匠海に、ヴィヴィはふるふると頭を振って抵抗した。
「……――っ は、恥ずかしい~~っ」
(そ、そんな卑猥なこと、言わないでっ)
「ふ……。ヴィクトリア、首にしがみ付いて?」
「え、うん……、きゃぁっ!?」
やっとこの恥ずかしい体勢から解放されると素直に兄の首に縋り付けば、ひょいと下肢と腰が持ち上げられた。
兄の太ももの間に横抱きにされたヴィヴィに、匠海はまるで考える時間を与えないかのように、すぐに顔を寄せてくる。
唇に与えられるのは、甘く蕩けそうなキス。
そして守られていると錯覚しそうになる、背中に回された逞しい腕の先は、ヴィヴィのシャツとブラに包まれた乳房を揉み込んでいる。
たまに唇を軽くずらし、甘い声で名を呼ばれ、可愛いと囁かれ、ヴィヴィはいつの間にかくたりと兄に躰を預けきっていた。
「蕩けた顔して……。こっちは、どうかな?」
そう囁いて匠海が伸ばした腕の先は、やはりヴィヴィのスカートの中。
片手で容易く脱がされていく、自分の下着。
「……駄目……」
口ではそう拒否の言葉を発しながらも、ヴィヴィは最早、匠海の言いなりだった。
(どうせ……嫌がっても、えっち、するんだろうな……)
そう思い至った脳から徐々に冷静になったヴィヴィは、頭の先からすうと足元へ向けて熱が醒めていくのを感じた。
しかし、それは匠海の意外な言葉によって遮られた。
「ヴィクトリア? 今日は無理強いしたくないんだ。もし嫌なら、拒否して?」
「……え……?」
(お兄ちゃん……?)
ヴィヴィは自分を横抱きにしている兄を、ゆっくりと見上げる。
「これからずっと、一緒だろう? お前が嫌なら、今日はやめるよ」
そう言って微笑んだ匠海の瞳には、真摯な光が宿っていた。
「………………っ」
(……ど、どうしちゃったの……? なんで……?)