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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第88章
「会いたかった……」
「ぁっ ん、ぅん……っ」
(キス……すると、中……動いちゃう……っ)
そうヴィヴィが焦りだした時、くちゅりと音を立て、匠海が下からねっとりと突き上げてきた。
「ああ、気持ちいい……っ」
そう色っぽい声で囁かれ、ヴィヴィの膣壁がまたうねる。
「……だめ……。んっ」
「悪い、キスだけだ……」
そう謝った匠海は、腰を止めてヴィヴィの唇を啄み、口内を舐めとる。
「はぅ……、んっ うんぅっ」
(やぁ……、ヴィヴィの中、動かないでっ 気持ちよくなっちゃうっ)
「ヴィクトリア……」
そう妹の名を囁きながら匠海の掌が柔らかくヴィヴィの乳房に這わされ、下から揉み上げられる。
きゅんと膣内の匠海を締め上げてしまったヴィヴィは、はっとして口を開く。
「……やぁっ ダメ……っ!」
「駄目?」
自分を覗き込んでくる匠海に、ヴィヴィは苦しくなって眉根を寄せた。
「……だ、め……」
切なそうに瞳を細めたヴィヴィが、そう掠れた声で囁くと、匠海がふっと息を吐いた。
「ヴィクトリア……可愛い」
「……――っ」
くしゃりと屈託なく笑った匠海を見て、ヴィヴィの心がじりと焦げるような熱さを感じた。
その直後、大きな瞳からぼろりと零れたのは、熱い涙。
(あ、れ……? なんで、涙……?)
「ああ、泣くな……。ごめん、悪かった」
苦しそうにそう謝った匠海は、ゆっくりと己の昂ぶりを抜き取り始めた。
しかしそれを止めたのは、先程まで「駄目」と言い続けていたヴィヴィだった。
「……や……っ」
「え……?」
兄の首にきゅっと縋り付いたヴィヴィに、匠海が驚いた声を上げる。
「……抜いちゃ……やっ」
(何でだろう……、すごく、離れたくないの……)
「ヴィクトリア……?」
「………………っ」
「……動いていいか?」
そう耳元で確認され、ヴィヴィは何と言っていいか分からなかった。
匠海に縋り付いていた腕を緩められ、ヴィヴィはゆっくりと顔を上げた。
「……一緒に気持ち良く、なる?」
顔を覗き込まれた兄の瞳が、心配そうな色を湛えているのに気付いたヴィヴィは、本人も驚くほど素直にこくりと頷いていた。