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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第88章                  

「あっ ぁあ……んっ はぁっ あ、はぅう……っ」

「凄いっ ……っ きついよっ」

 狂った様に兄に纏わりつくヴィヴィの粘膜を、匠海がぐじゅぐちゅと泡立つほど激しく突き上げてきた。

「お、にぃ……っ おにい、ちゃぁん……っ」

「ヴィクトリアっ ぁあっ 可愛いっ 俺の……っ」

 突き上げられるたび、耳の後ろで結ったヴィヴィの髪が跳ねる。

 何度も「俺を見て」と懇願され。

 口内まで掻き回され。

 「ヴィクトリアっ」と熱い声音で囁かれ。

 そして、ヴィヴィの身も心も完全に蕩け切った頃。

 その最奥で兄がまるで激情を爆発させるかのように爆ぜ、ヴィヴィも咽喉が詰まりそうな程の恍惚を味わった。

 ぽわんと呆けていたヴィヴィは、正体を無くしている間に兄の手によって抱く前の状態に戻されていた。

「ヴィクトリア……。大丈夫か?」

「うん……」

(気持ち良すぎて……、し、死んじゃうかと思った……)

 ミネラルウォーターを手渡され、それを何度か飲み下すとやっと意識がはっきりし、自分で立ち上がれる様になった。

 立ったヴィヴィの姿を見つめて、制服の乱れを直してくれる兄に、ヴィヴィはふと疑問を覚えた。

「ね……、聞いても、いい……?」

「ん? なんだい?」

「お兄ちゃんは、ロリコンさん、なの?」

(だって、クラスのみんなが「ツインテール好きはロリコン」って言ってたんだもの)

 ばきっ、とへしゃげる音がしてそこに視線を移すと、空のペットボトルが兄の手の中で潰れていた。

「お前……、二度とそんな口きけないようにしてやろうか!?」

「えぇ~……」

 さっきまであんなに優しかったのに……、とヴィヴィは情けない声を上げる。

「……はぁ……。俺、お前の制服姿、1年半ぶりに見るんだよ……」

 がっくりと頭を落とした匠海に、ヴィヴィはちらりと斜め上を見やる。

「え……? そうだった?」

「そうだよ。俺が帰国したのは6月と年末年始。その時はお前の制服姿は見なった」

(ん? それって、ツインテールが好きなんじゃなくて、制服が好きってこと……?)

「女子高生の制服、好きなの……?」

 ヴィヴィの更なる追求に顔を上げた匠海が、困惑と少しの苛立ちをまぜこぜにした様な表情を浮かべた。

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