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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第89章
「制服嫌いだった? ごめんなさい。じゃあ、脱がして?」
ローファーを履いたままベッドによじ登ったヴィヴィは、匠海の傍にぺたりと座り込み、残念そうな表情を浮かべて兄を見つめる。
(なんてね~。お兄ちゃん、コスプレ好きだもんね? 脱がしたりしないよね? うっしっしっ)
「ああ、たちの悪いのに引っかかったっ」
心底悔しそうにヴィヴィを睨み付けてくる匠海だが、何だか今日はそんな事をされても全然怖くなかった。
(ふんだ。もし怒られたら、謝って縋り付けばいいんだもん。ヴィヴィだって好き好んで『鞭』受けてるんじゃないんだからっ!)
けれどその次に続いた命令に、ヴィヴィは輝かせていた瞳を曇らせた。
「もういい。四つん這いになれ」
「はい……」
しゅんとしてローファーを脱いだヴィヴィは、それをベッドの上から落とす。
そして匠海の指示通り、その長い両足を跨いで兄の方へお尻を向ける形で四つん這いになった。
(やっぱり、何しても、いつもと一緒、か……)
兄の好きな制服を着ていようが、『鞭』を与えられる事には変わらない。
そう理解したヴィヴィは、こんな恰好までしてきた自分が滑稽になり、何だか虚しくなった。
匠海の両の掌が、目の前に晒された妹の長く細い脚を撫で回す。
いつもは膝丈のスカートなのに今日は膝上10cmのものを履いてきたので、その裾はもう少しで恥ずかしい所を露出するくらい捲れ上がっていた。
「ヴィクトリア……」
「なあに……?」
「こちらを向きなさい」
まさかそんな事を言われるとは思わず、ヴィヴィは咄嗟に匠海を振り返る。
「……え……?」
「ずっと俺の事、見てろ」
四つんばいのまま振り返ったヴィヴィを、匠海は真っ直ぐに見つめていた。
「え……、あ、うん……」
(……なんで……?)
ヴィヴィは疑問に思ったが、言われた通り兄の事を見つめていた。
自分の小さなお尻を隠している、紺地に赤ラインのスカートが兄の手によりゆっくりと捲り上げられ、その中の白い尻が露わになる。
「……あ……っ」
あまりに恥ずかしくて、ヴィヴィは思わず視線を外した。