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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第89章            

「いい子だ。下着を着けてはならない事、覚えていたんだね?」

 匠海のその言葉通り、ヴィヴィの秘めやかな場所は何も遮る物無く、兄の眼前に晒されていた。

 ヴィヴィの頬がさっと朱に染まる。

 今の自分は、兄にお尻を突き出す格好をしているのだ。

 例えまだ濡れていなかったとしても、自分の恥ずかしい秘裂はぱっくりと割れて、その上の後孔と共に視姦されている。

 きゅっと目蓋を瞑り羞恥に耐えるヴィヴィに、匠海が再度注意を促す。

「ヴィクトリア、こっちを向いていろと言っただろう?」

「……は、い……」

 消え入りそうな声でそう返事したヴィヴィは、自分の小さな尻に兄の大きな掌が這わされ、揉み込んでいく一部始終を見さされていた。

(お兄ちゃんに、見られてる……っ あんなに熱い眼差しで、じっと……っ)

 ヴィヴィの恥ずかしい場所は、まだ一つも触れられていないのに、じんじんと熱く熱を持ち始めた。

「……濡れてないな……」

 そうぼそりと呟いた匠海は、こちらを振り返る妹の瞳を見つめながら、べろりとヴィヴィの秘裂を舌で舐め上げた。

「ひうぅっ!?」

 熱く感じていたそこを、更に熱くぬめった舌で一気に舐め上げられる感触。

 そしてその唾液が乾く際の、熱を奪われる冷やりとした感触。

 その全ての刺激に高く啼いたヴィヴィは、咄嗟に顔を前に戻してしまった。

「ヴィクトリア?」

 鋭い声でそう呼ばれ、ヴィヴィはびくりとしてまた兄を振り返る。

「俺を見ていなさい」

「……む、りぃ……」

 兄の命令に、ヴィヴィは弱々しい声で反論する。

(だって、お兄ちゃんの顔、やらしいんだもん……っ お兄ちゃん、えっち過ぎて、ヴィヴィ見てらんないっ)

 しかしその抵抗空しく、何度も注意されながら執拗にそこを解す匠海を振り返えらされ、ヴィヴィの心臓はもう壊れんばかりの早鐘を打っていた。

 そして――、

「お、お兄ちゃん……っ」

 ヴィヴィは堪らず兄に声を掛ける。

「何だ?」

「首……痛い。前向いてて、いい?」

 何分も後ろを振り向いていると、さすがにヴィヴィの首が悲鳴を上げ始めた。

(むち打ちになりそう……。『人形』でも、首は痛めます……)

 
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