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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第89章            

「駄目じゃない。気持ちいいくせに」

 何故だろう。

 今日は妙に乳首が敏感だった。

 布越しに本当に柔らかく撫でられているだけなのに、その乳輪を辿られているだけなのに、ぴりぴりして躰が跳ねてしまうのを、自分でも制御出来なかった。

 そして、

「あっ ぁあんっ つ、つよい~~っ」

 ヴィヴィは甘ったるい声音でそう主張するが、それは発している自分が聴いても、拒んでいるようには聞こえなかった。

「指で摘まむのは嫌か? じゃあ、これは?」

 そう囁いた匠海は、ヴィヴィの乳首をシャツの上から吸い上げ、しゃぶり付いた。

「はぅうっ!? あっ あぁんっ やっ やぁ、えっち~っ」

 両方の乳首に吸い付かれて布越しに舐め上げられて、ヴィヴィはその兄の愛撫に散々喘がされた。

 やっと解放されたと脱力したヴィヴィの白シャツは、その尖りの辺りだけが兄の唾液に濡れ、そこには薄紅色の乳首が透けていた。

「ああ、なんてエッチな子なんだ、ヴィクトリアっ」

 その卑猥な光景に興奮したのか、匠海は小さな乳房を両手で大きく揉み解してくる。

(ぁあんっ あ、気持ちい……っ 布越しでも、いいよぉ……っ)

「お、おにぃちゃん……っ あ、ん……っ」

 夢見心地にそう兄を呼べば、「なんだっ」と苛立ったように返される。

 (そんなキツク、聞き返さなくったって……)と、ヴィヴィは拗ねながらも伝えたかった事を口にした。

「ん……、すごく、気持ち、いい……っ」

「……――っ ああ、もっと気持ち良くしてやるっ」

 そう感極まった様に喚いた匠海は、ヴィヴィの乳房から両手を離すと、スカートを捲りあげ、小さな両の膝頭を掌で包んで押し広げた。

「ヴィクトリア、下ももうぐちょぐちょじゃないか。そんなに早く俺とセックスしたいのか?」

 自分の脚の付け根をじいと熱い眼差しで覗き込まれ、ヴィヴィの躰がかあと熱く火照った。

「えっ や……っ ち、がう……っ」

(い、いつの間にそんなに濡れてたんだろう……、胸、気持ち良すぎて、全然気づいてなかった……っ)

 恥ずかしくて脚を閉じたいのに、匠海は何故か更にヴィヴィの両脚を胸の方へと押し上げ、そこで左右の膝下を合わせてくる。

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