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第89章 　 　　 　　　　 　

「……馬鹿、敏感な躰のほうが、いいに決まってるだろう……」

　まるで舌打ちでもしそうな勢いでそうぼそりと付け加えられ、ヴィヴィの頭の中には　？　が溢れた。

（……へ……？）

「ほら、もっとイけっ　どろどろに溶けて、俺の下で可愛く善がってろっ」

　そう言って妹の中に収めていたもので抜き差しし始めた匠海に、ヴィヴィは焦る。

「あっ　だめっ　そんな、すぐっ　やっ　やぁん……っ」

　イって間もないまだひくついている膣粘膜が、また新たに与えられる刺激に喜び打ち震える。

「ああ……っ　ヴィクトリア、ヴィクトリアっ」

　ぱちゅんぱちゅんと二人の肌がぶつかる粘着質な音と、匠海が自分を呼ぶ声が寝室に響く。

「あっ　あ、あぁん……っ　んっ　ぅんんっ　……っ」

　むき出しの腰や太もも、半袖から伸びた腕が何故か粟立ち、躰の表層がぞわぞわする。

　ベッドに押し付けられた背中が何故か熱く感じ、咄嗟に身を捩って横を向いたヴィヴィを、匠海が叱責する。

「ヴィクトリア、横向くなっ　俺に縋り付いてろっ」

「おに、いちゃっ　……あっ　ぁう……っ　ぁんっ」

　ヴィヴィは咄嗟に兄のバスローブの袖に両手でしがみ付き、匠海の激しい突き上げに耐える。

「ほら、俺のだぞ？　お前の“お兄ちゃん”のものが、ヴィクトリアの中に、出たり入ったりしているんだぞ？」

　一旦腰の動きを止めた匠海が、今度はその形を妹に覚え込まそうとでもいうように、ゆっくりねっとりと膣粘膜を擦り上げながら出し入れさせてくる。

「あ……、おにい、ちゃん、の……っ　ぁあんっ　お兄ちゃんのぉっ」

　兄の男性の証しが奥深くまで埋め込まれ、自分の大切なところを我が物顔で蹂躙している。

　そう声に出すと余計にそれを感じて、ヴィヴィは一種の興奮状態に陥り、兄の首に腕を伸ばして縋り付いた。

「おにいちゃんっ　お兄ちゃんっ　あっ　好きっ　ぁあんっ　あ……、すきぃっ」

「俺のこれ、好きか？」

　耳元でそう意地悪く囁かれても、ヴィヴィはもう自分の感情がコントロール出来ないように、叫んでいた。

「……っ　す、好きっ　ぁああんっ　だ、大好き……っ」

　その異様な興奮状態のまま、ヴィヴィは兄の首筋に噛み付く様に歯をあてがい、唇で吸い付き、甘噛みする。