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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第89章
咄嗟に兄のバスローブを掴んだヴィヴィに、匠海が剣呑な瞳を向けてきた。
「お兄ちゃん……っ」
「……なんだっ」
「ヴィヴィも……、ヴィヴィも、ぎゅうってして?」
ヴィヴィは唇をつんと尖らせて、匠海に向かって両腕を伸ばす。
(ヴィヴィも、お兄ちゃんに甘えたいよ……)
自分を見下ろしていた兄の瞳がぐっと苦しそうに歪み、ヴィヴィは一瞬怒られるのだと思い、身構えた。
しかし匠海はそうしなかった。
寝ころんだままの制服姿のヴィヴィを大事そうに抱き上げると、その逞しい胸の中に迎え入れてくれた。
肌蹴たバスローブの隙間、兄の胸板に顔を埋めたヴィヴィは、嬉しそうに顔を擦り付ける。
(えへへ……、好き……っ)
「ああもう、何なんだ……っ この可愛い生き物はっ」
頭上から降ってきたその匠海の声に、ヴィヴィはまた首を捻る。
(……はい……? 可愛い……、生き物……?)
何の事やら訳が分からないが、まあ取りあえず兄の前には今自分しかいないので、答えてみた。
「……ヴィヴィ、です……?」
「ああ、もう……っ」
何故か苦しいほど強く抱きこまれたヴィヴィは、また頭の中に ? が溢れた。
(やっぱり、よく、分かんないや……、今日のお兄ちゃんは……)
お酒の匂いはしないが、もしかしたら酒に酔っているのかもしれない。
それか帰国してもう3日も経つのに、まだ時差ボケが残っている?
しばらくして抱擁を解いた匠海は、ヴィヴィを腰に乗せたまま、自分はぼすりと音を立ててベッドに寝転んだ。
「ほら、欲しければ自分で入れろ」
何だか随分な言われ様だが、ヴィヴィは今日は気分がいいので従う事にした。
それにまだ兄は一度も達していないので、自分の躰で気持ち良くなって欲しい。
「ん……、み、見ててね……?」
おずおずとそう確認したヴィヴィに、匠海は「ああ」と頷きこちらを見つめてきた。
反り返って腹筋に触れそうな兄の陰茎を掴むと、ヴィヴィはもう片方の手で自分の制服のスカートを捲った。
露わになったヴィヴィの秘所に、兄の視線が移ったのが分かるほど、匠海の視線は強かった。