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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第89章
「裸のほうが、抱いて寝るのに、気持ちいい」
そう理由を説明した匠海は、まるでヴィヴィの肌により触れたいとでもいう様に、半袖から伸びた細い腕を撫で摩ってきた。
「ね、寝てくれるの……?」
ヴィヴィはぱっと顔を上げて匠海を見つめる。
「ああ、抱き枕変わり、だけどな?」
眉を眇めてそう発した匠海に、ヴィヴィの薄い胸がとくりと高鳴った。
(う、嬉しい……っ 『鞭』の時に抱いて寝てくれるの、初めてだ……っ)
「じゃあ、脱がせてくれる?」
制服好きなら脱がせるのも好きなのでは? と、ヴィヴィは敢えてそう口にしたのだが。
「それは無理」
匠海はそうきっぱりと断ってきた。
「どうして?」
意味が分からず追求したヴィヴィに、匠海は高圧的に凄んできた。
「お前……。明日足腰立たなくなるほど、抱き潰すぞ?」
「それは、ダ、ダメ……」
(だって明日は、『9月 難解大』って、大切な模試で~っ)
万が一、受けれなかったとしたら、クリスにめちゃくちゃ怒られるのは目に見えていたし、自分も絶対に受けたかった。
「はあ……。濡れタオル取ってくるから、脱いでいなさい」
ヴィヴィの頭をポンと叩いた匠海は、そう命令してベッドから降りた。
「はあい」
ヴィヴィはそう素直に返事をすると、膝立ちになって膝上10㎝のスカートのホックを外し始める。
「っていうか、ずっと気になってたんだか。なんでそのスカート、短いんだ?」
匠海は昔から、異常にヴィヴィが校則違反をするのに五月蠅く、躰の関係になってからはミニスカートを履くのも嫌がる。
クラスメイトの女子なんざ、膝上20cmのスカートを履いたりするのだが、ヴィヴィは真面目に校則通り膝上を守ってきた。
「ん。中等部の時に履いてたやつなの」
身長が伸びて今のヴィヴィには短くなったそれ。
もう学校では履けないので、匠海とセックスするときにちょうど良いと選んだのだ。
「あ、そう」
短くそう答えた匠海は、何故かしげしげと妹の制服姿を見つめており、それに気付いたヴィヴィも内心首を傾げながらしばらくそんな匠海を見ていた。
(どんだけ、制服、好きやねん……)
そして心の中では、関西弁で突っ込んでおくヴィヴィなのだった。