この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第90章           

『ヴィクトリア……。お前、また俺を信じてなかっただろう……?』

「………………っ」

『馬鹿……。信じろよ。っていうか、命令だ――俺を信じなさい。ヴィクトリア以外の女に興味はない』

 匠海のその言葉に、ヴィヴィは視線を左右にさ迷わせ――そして、しぶしぶ頷いた。

「……はい……」

『ああ、全然信じてないな……』

 少し悲しそうにも聞こえた匠海の声を無視し、ヴィヴィは続ける。

「……お兄ちゃん、今日、帰ってこないの……?」

『う~ん、後、2時間後くらいには、そっちに着けるかと』

 電話の向こうで、椅子の背凭れがたわむ様なきしりという小さな音がしたのを、ヴィヴィは聞き逃さなかった。

「……ヴィヴィ、お兄ちゃんのベッドで寝てて、いい……?」

『いいよ。なんならひとりエッチしてる声、聴かせてくれない?』

「……――っ!? し、しないもんっ」

 兄の悪戯っぽい声音に絶句したヴィヴィは、咄嗟に反論する。

『したことあるくせに。しかも俺のベッドの上で』

「――っ!! あ、あの1回だけだもんっ」

(だってあれは、お兄ちゃんがっ! 「毎日抱く」って言ったのに帰ってこなくて……っ)

 年始、匠海を彼のベッドの中で待っていたヴィヴィは、『鞭』を与えらえ始めたせいで少しおかしくなっていて、自分で火照った躰を慰めてしまった。

 そしてあろうことか、汚れた指を黒いシーツに擦り付け、自慰の後を刻み付けていたのだ。

『やっぱり、したんだ』

 ふっという嗤い声と共に返された兄の返事に、馬鹿な返事をしてしまった自分に気づいたヴィヴィは、匠海に八つ当たりした。

「――っっっ!? お、お兄ちゃんの、バカぁっ!!!」

『ふ……。じゃあいい。今度俺の事を信じられなかったら、俺の目の前でひとりエッチさせてやる』

「ええ……っ!?」

(なんでそうなるのっ!?)

『簡単なことじゃないか。要は俺を信じてさえいれば、そんな恥ずかしいこともさせられない』

 楽しそうな兄の声に、ヴィヴィは口ごもる。

(な、なんだか、無茶苦茶な言い分な気がするけど……)

「う、うん……。お兄ちゃん……」

『なんだ?』

「……だいすき……。早く、帰ってきてね……?」

 自分でも思った以上に、甘えた声が出てしまった。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ