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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第90章
「ひゃぅうっ!? そんなっ の、おまじない、じゃないぃっ あっ んん……っ」
「ほら、俺の事、観察するんだろう?」
匠海のその意地悪な言葉に、ヴィヴィは兄の手を押さえながら、小さく頭を振る。
「する、けどぉ~っ あ……っ だめぇっ くにくにしちゃ、やぁんっ」
兄の指先はヴィヴィの小さな尖りを、円を描いたり上下に扱いたり好きな様に弄び、妹を快楽の淵へと誘っていく。
「ほら、目、瞑ったら駄目だよ。ちゃんと、俺見て」
そう耳元で囁いてくる匠海の声があまりに婀娜っぽくて、ヴィヴィは躰をふるりと震わせた。
(さ、さっきは目を瞑れって言ったくせに……っ)
「はぅんっ あっ あぁ……っ んっ カッコ、いいっ」
ヴィヴィの事を面白そうに興味津々で覗き込んでくる、その切れ長の瞳も。
その先で震えるように微かに動く、長い睫毛も。
少し肉感的で口角の上がった、形のいい唇も。
(綺麗……。ほ、惚れ直しちゃう……っ)
兄の全てが美しくて、色っぽくて、ひと時も目を離させない凄みでもって、ヴィヴィを虜にしてしまう。
こんな娚(おとこ)を演じたい――そう思った瞬間、ヴィヴィの華奢な躰はびくびくと跳ね、達してしまった。
(ん……っ お兄ちゃんの指、気持ち、いいの……)
「おにいちゃぁん……」
甘ったるい声で兄を求めれば、与えられるのは、芯まで蕩けてふにゃふにゃになりそうな濃厚なキス。
「ほら、もう寝なさい」
最後にきゅっと胸に抱き寄せられ、ヴィヴィはその隙に兄の首筋に鼻梁を寄せてちゅっと吸い付いた。
(うふふ、お兄ちゃんの香りだ……)
「うん……。おやすみなさい……」
(明日は、お兄ちゃんに抱いて貰える日だもんね……。今の内に寝だめしておこう)
ヴィヴィはそう思いながら、今度は素直に目蓋を瞑ったのだった。
9月22日(火)。
今日も早朝からリンクへ赴き、学校での勉強と学園祭準備を終え、屋敷に戻って受験勉強と楽器の練習。
そしてディナー後はリンクへ行ってみっちり練習――という怒涛のスケジュールを熟す双子。
「いつも思うのですが……」
就寝前、恒例のハーブティー用のハーブを選び始めたヴィヴィに、朝比奈が話し掛けてくる。