この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第90章
「んっ ……っ ぁ……っ」
唇を重ね合わせるだけの、優しいキス。
両手を拘束され、唇を奪われ、体重をかけて下半身の動きを封じられ。
けれどそのどれ一つをとっても、優しくて心地よく、ヴィヴィは自然に身も心も兄に託そうと思えてしまう。
「ほら、俺に集中して。いっぱい感じ取ってお勉強しなさい」
指の背で頬の輪郭を撫でてくる匠海に、ヴィヴィは拗ねた様に不満の声を上げる。
「え゛~……」
(“酩酊状態”のお勉強なんて、この世にないでしょう、普通……)
「え~じゃありません。ふむ、そうだな……。とりあえず、俺に酔ってみれば?」
しゃあしゃあと恥ずかしげもなくクサい事を言ってくる兄に、ヴィヴィは大きな瞳が零れ落ちそうなほど目を見開いた。
匠海がこれだけの美形だからまだ許せるが、普通の人間がこんな事を言った日には、抱腹絶倒、七転八倒だ。
(こんっの……っ 女ったらし――っ!!)
あれよあれよと身ぐるみ剥がされ、兄の大きな掌に翻弄されまくったヴィヴィは今、ベッドヘッドに背を預けた匠海に縋り付いていた。
兄の股の間に膝立ちになり、その首に縋り付きながら、お尻から回された匠海の指に翻弄されていた。
「ああっ お兄ちゃん、ヴィヴィ、もう……っ」
「まだだ」
2本の長い指が無遠慮にヴィヴィの蜜壺を搔き回す、ぐちゅぐちゅという卑猥な音が辺りに満ちる。
「まだ、足りないだろう? ヴィクトリア」
引き抜かれた指にさらにもう一本増やされ、3本も差し込まれたヴィヴィは、匠海の肩に乗せていた頭をはっと上げて啼いた。
「ふぅうっ ひゃあ……あんっ」
長さも節も異なる3本の指の感触を、ヴィヴィの敏感な膣粘膜がもろに伝えてくる。
(ぁあ……っ ごつごつ、してるの……、お兄ちゃんの指、あんなに長くて綺麗に見えるのに……っ)
「ほら、もっとって、おねだりしてごらん?」
耳元で囁いてくる匠海の声が、悪魔の囁きにしか聞こえない。
「やっ やぁっ か……かきまわさ、ないでぇっ」
ふるふると頭を振って抵抗する妹の、その金色の髪が狭い背中で揺れるのを、兄がうっとりと見つめていたなんて、その時のヴィヴィが気付く筈もなく。