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第90章 　 　 　　 　 　

　空虚な下の口は、兄の悪戯な指に翻弄され寛げられ、今や今やと匠海自身の訪れを待ち侘びていた。

「ほら、“お兄ちゃん”のペニスだ。いっぱい味わいなさい」

　そんな卑猥な事を囁きながらヴィヴィをベッドに横たえ、その膝を割り開き匠海が与えたのは、もうこれ以上ないほど昂ぶった欲望の証し。

「お兄ちゃ、んっ　重いっ　……後ろ……っ　ぁあっ」

　異常にゆっくりと感じるほど焦らしながら銜え込まされた兄のそれを、ヴィヴィは正常位で受け止めてすぐ、苦しそうにそう胸を喘がせた。

「え？　重い……？」

　ほとんどヴィヴィに体重を掛けていない匠海が、不思議そうにヴィヴィの顔を覗き込んでくる。

　自分の脇に突かれた兄の両腕に縋ったヴィヴィは、眉間を寄せながら必死に訴える。

「あっ　ああ、そこ、だめぇ……、うし、ろ……、だめえ……っ」

（やっ　なんか、重いの……っ　むずむず、する……っ　なに、これ……？）

　膣裏全体に感じる、どっしりとした兄の陰茎の重さ。

　それに戸惑っているヴィヴィに、匠海は瞬時にその状態を理解した。

「ここか？　後ろが気持ちいいんだな？」

　そう確認しながら、収めていたものを膣裏に擦り付ける様に抜き取り始めた匠海に、ヴィヴィは指が白くなるほど兄の腕にしがみ付き、身を強張らせる。

「あっ　ああ、だ、んめぇ……っ　イく、イっちゃううっ　―――っ！！」

　むず痒さが瞬時に快感へと取って代わり、突き抜けたその刺激は、ヴィヴィの頭を真っ白に染め上げた。

「……っ　もう反則だっ　なんでこんなに可愛いんだ……っ　ああもうっ」

　弛緩した妹の躰を抱き込んだ匠海が押し殺した声でそう零しているのを聞きながらも、ヴィヴィの躰はまだ貪欲に新たな刺激を求め彷徨っていた。

「ああっ　気持ちいいのっ　おにいちゃぁん……っ　いいよぉ……っ」

　発している声は甘ったるいのに、その表情は切なげで。

　抱擁を解いた匠海はそれに気付いて苦笑した。

「分かるよ。ヴィクトリアの後ろ側、俺のをごりごり抉る様に波打ってるっ」

「助けて……っ　やぁっ　こわいぃ……っ」

　初めての自分の躰の感覚に不安を覚え、兄に縋り付くのに、匠海から与えられるのは更なる快楽。