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第90章 　 　 　　 　 　

「ヴィクトリア、分かるか……？　俺の、精子。お前の大事なところに吸い込まれていく」

「……――っ　や……ぁ……っ　だ、めぇ……っ」

　ピルを飲んではいるものの、本能的に感じた危機感で、ヴィヴィは咄嗟に掠れた声で叫んだ。

「ほら、こんなに角度付いてたら、一杯流れ込んでくな。ヴィクトリアの子宮に」

　匠海が言うように、ヴィヴィの腰は高々と持ち上げられ、その頭はベッドに付いていて、まさに奥へ奥へと流体は流れ落ちていく。

「やぁあっ　だめっ　はなしてぇっ」

　急に暴れだしたヴィヴィを、匠海ががっちりとその腰を押さえる事で動きを封じ込めてくる。

「離さないよ。ほら、俺をいっぱい感じろ。お前の“お兄ちゃん”を大事なところで」

（やっ　そんなの、そんなの、だめ……っ）

　もし兄の言う通りにしたとしても、避妊はしているから大丈夫なのに、ヴィヴィはぞっとして匠海を必死に見上げた。

「お兄ちゃんっ　やめてっ　や……っ！」

「ん？　足りないか？　しょうがないな」

　にゅぽんといやらしい音を立てて抜かれ、ヴィヴィはぐったりとベッドの上に崩れた。

　けれどいつの間にか俯せにされ、腰を高く持ち上げられると、また匠海に貫かれた。

「ひぅ――っ！？　……っ　やっ　やだっ　やだぁあっ」

（やだっ　なんで……？　『鞭』の日じゃないのに……っ）

　後ろから貫かれてすぐに涙声になった妹を、匠海が困ったように撫でてあやしてくる。

「ヴィクトリアは本当に、バック嫌いだな？　どうして？」

「……っ　か、顔見えないの、やぁっ　こ、怖いもん……っ！」

「ああなんだ、そんな事か。ほら、こっち向いてごらん」

　ヴィヴィは兄の手で片方の肩をベッドに付かされ、もう片方の肩を上げて後ろを振り向かされた。

「ほら、俺が見えるだろう？」

「み、見えるけど……っ」

　そう発したヴィヴィの顔は、本当に情けないものだった。

（ちょ、ちょっとは休憩させて……っ　っていうか、これ、さっきと一緒だもんっ　腰、高く上げるの、やめてっ！）

「俺からも、ヴィクトリアの可愛いお尻が見えるよ」

　そう言って妹のまろやかで小ぶりな双丘を撫で上げた匠海に、ヴィヴィはもう「い～っっ」となった。