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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第91章
(なんたってヴィヴィは、“強力な武器”を手にしたからね~)
強力な武器――それは、もちろん制服だ。
9月も後半になると、あの夏の猛暑が嘘のように涼しくなり、ヴィヴィはお気に入りのワンピースタイプの制服を纏っていた。
これも中等部の時に着ていたので、成長と共に丈が短くなり着ていないものがある。
一瞬、今夜はワンピの制服にしようかと思ったが、すぐにその考えは頭の中から追いやった。
(だって……、お胸……可愛がって欲しいんだもん……)
ヴィヴィの白い頬がぽっと薄紅色に染まる。
前回、白シャツ一枚でブラも着けていなかったヴィヴィの乳房を、兄はシャツ越しに散々弄っていた。
胸が隠れるワンピだとそれをして貰えなくなると悟ったヴィヴィは、薄い唇を窄めた。
(は、恥ずかしいけれど、やっぱり、ヴィヴィの全てに触れて欲しいから……)
自分の顔を見ながら抱いてくれるといいな。
悔しそうに「可愛い」と口走りながら抱いてくれるといいな。
そして出来れば、キスを沢山してくれるといいな。
兄にして欲しい事は尽きぬ程ある。
そして兄にしてあげたい事も沢山ある。
自分の拙い性戯で、幼い躰で、匠海に気持ち良くなって欲しかった。
仕事での疲れやストレスを、自分と躰を重ねることで少しでも癒す事が出来ればいい。
そしていつか、躰だけでじゃなく、言葉やその存在でも、兄の役に立てるそんな人間になりたい。
(……なんてね~っ きゃ~~っ ヴィヴィったら神聖な学び舎で何てことと考えてっ!)
頬に両手を添えて一人で盛り上がっているヴィヴィに、傍で他の女子と喋っていたカレンが気付き、歩み寄って来た。
「ヴィヴィ、どうしたの? にやけて~」
そう言いながら何故かでこピンしてくるカレンに、ヴィヴィはにやっと悪そうな嗤いを浮かべる。
「ん~……? 女子高生の制服姿は無敵――という事実を噛みしめてた」
いつも『お子ちゃま』と皆にからかわれているヴィヴィのその信じられない言葉に、カレンが血相を変える。
「はあ~~? あんたまさか、 “ウリ” とかやってないでしょうね?」