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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第92章
兄の大きな掌が、妹の喘ぎに確信を得たように、その細腰をぐっと掴んで引き寄せ、がむしゃらに掻き回す。
「……っ くっ ぁあ……っ 凄いっ」
ぱんぱんと互いの薄い肉がぶつかり合う音に混じって零れるのは、匠海の恍惚とした喘ぎと、ヴィヴィの泣き出しそうな切羽詰まった嬌声。
そしてヴィヴィの細い背中に覆い被さった匠海は、その最奥まで昂ぶりを捩じ込んだ。
「くぅん……っ は、はぅう……っ」
また子犬のように鼻を鳴らす妹のその可愛らしい反応に、匠海はまたゆっくりと己の陰茎でヴィヴィのとろとろの蜜壺を捏ね繰り回す。
「やぁ……っ こんなのっ わ、ワンちゃんみたいっ だよぉ……っ」
ヴィヴィが弱々しく指摘した通り、今の兄妹はまるで獣の様な交接をしていた。
妹の腰に両手を添え、その上に覆い被さりながら腰を打ち付ける兄。
妹のその言葉により興奮を覚えたのか、匠海がぶるりと逞しい体躯を震わせた。
ゆっくりと妹の子宮口に亀頭を埋め込んだ兄は、しっかりした口調で口を開いた。
「ああ、俺たちは獣(けだもの)なんだよ。ヴィクトリア……。
一緒に堕ちよう。
大丈夫。怖がらなくていい、どこまでも一緒だ――」
その兄の決意の言葉を、ヴィヴィは瞬時に察知し、そして息を詰まらせた。
兄と妹の交わり――。
それは恐ろしいこと。
それは汚らわしいこと。
人間としての尊厳を真っ向から否定する、獣同然の行い――。
兄に初めて肉慾を覚えた時、自分で自分を蔑み戒めたその言葉。
なのに自ら禁忌を犯し、清廉潔白だった兄を穢し、
最愛の匠海までもを、その畜生道に引き擦り込んだのは紛れもない自分。
そして、兄は妹と堕ちてくれる決心を自分にみせたのだ。
ならば、もういい。
女として愛されなくても、
人形として愛玩物になっても、
もう、それで、いい――。