この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第92章            

 重かった目蓋を何とかこじ開けると、ヴィヴィは既にベッドの上にいた。

 自分に腕枕をしながら長い髪を指で梳いている兄に気付き、ヴィヴィは瞳を細めた。

 先程まで力が入らなかった躰が、驚くほど軽く感じた。

 軽々上半身を起こしたヴィヴィは、躰を横たえていた兄を跨いで、全裸のまま膝立ちになる。

 そして薄い唇から洩れたのは、甘い甘い、睦言。

「おにいちゃまぁ……」

 寝転がった匠海の上に四つん這いになったヴィヴィは、上から兄の端正な顔を覗き込む。

 ヴィヴィの長い髪が兄の顔の両脇に、さらさらと音を立てて降り注ぐ。

「ん……? ヴィクトリア、もっと欲しいのか?」

 悪戯っぽくそう聞き返してくる兄に、ヴィヴィはその細い掌を匠海の胸の真ん中――心臓の辺りに置き、こくりと頷く。



「うん、ほしいの……。

 ヴィヴィ、おにいちゃま、ほしいの……」



 心臓の上に下されていた掌が、すっと肌理細やかな肌を撫でながら下がっていき、やがてまだ硬さを残した兄の昂ぶりへと下される。

 はっと切れ長の瞳を見開いた匠海は、下からヴィヴィを苦しそうに見詰めた。

「……――っ ああ、あげるよ。俺の全てを――っ」

 何故か強張った表情で自分を睨む様に見上げてくる兄に、ヴィヴィはまるで幼子の様に屈託なく笑った。





「うふふ。おにいちゃま……、

 ヴィヴィ、うれしい――」










/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ