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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第93章
「ふっ もう2時過ぎてるしな。じゃあ、キスだけ」
腰を屈めて下から掬い上げる様にヴィヴィの唇を奪った匠海は、何度も角度を変えて互いの唇を啄む口付けを与えた。
「んっ ……えっち……」
瞳の下をぽっと赤らめたヴィヴィがそうぼそりと零せば、
「煽ったのはお前」
と、またちゅっと啄まれた。
調理を始めた兄の手際の良さに見惚れていると、匠海に野菜を洗うように言われた。
「ヴィヴィ、もう分かってるとは思うが、野菜を洗うときは――?」
「洗剤は使わなくても、いい?」
「そうだ」
1年半ほど前にここに来た時、野菜を“洗剤薄め液”で洗おうとしたヴィヴィが、兄には余程衝撃的だったらしい。
ヴィヴィは広いシンクにボウルを置くと、じゃばじゃば水を溜めてそこに野菜を放り込む。
キュウリにセロリ、トマトにパプリカ。
きゅっきゅと水で磨いているとなんだか楽しくなってきた。
「♪What are little boys made of?
男の子って 何でできてるの?
What are little boys made of?
男の子って 何でできてるの?
Snips and snails,
ぼろきれやカタツムリ
And puppy dog tails,
子犬の尻尾
That's what little boys are made of.
そんなもので できてるの ♪
♪What are little girls made of?
女の子って 何でできてるの?
What are little girls made of?
女の子って 何でできてるの?
Sugar and spice,
砂糖やスパイス
And everything nice,
素敵なことがら
That's what little girls are made of.
そんなもので できてるの ♪」