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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第93章
その後、打ち寄せる海藻を集めてSOSの文字を作ったり、カニ穴を掘り返したり、波打ち際にヴィヴィが自分と匠海の名前を書いて、波に消されるか……というべた過ぎる遊びをし。
そして少し風が冷たくなってきた頃、匠海がふと口を開いた。
「まさかと思うけれど……」
「ん~?」
波打ち際に立って、足の下の砂が波に洗われていくのを楽しんでいたヴィヴィが、後方に立っていた兄を振り返る。
「いや……。お前、下着、着けてるよな?」
「……――っ!?」
兄の指摘に絶句したヴィヴィは、ぱっと両手でミニのルームウェアの裾を押さえた。
「え……、まさか……?」
「ふぇえええ~~っ」
途端に涙目になったヴィヴィは、そう情けない泣き声を上げた。
ヴィヴィは兄と2人っきりの時は、上も下も下着を着けない。
『鞭』の時、下着を着けていた妹を兄が怒ったことがあり、それからまるでトラウマのように着けないのが当たり前になっていた。
「ああ、泣くな。大丈夫。誰もいないから」
「う、うん……」
匠海に頭を撫でてそうあやされ、ヴィヴィは何とか落ち着くと、ビーチサンダルを履いて別荘への道を戻った。
「はぁ……。お前、無邪気にもほどがあるだろう?」
「ご、ごめんなさい……」
庭の水道で兄に脚を洗われながら、ヴィヴィはしゅんと謝る。
そんなヴィヴィの脚をタオルで拭った匠海は、妹を軽々抱き上げると、ウッドデッキの藤編みソファーに下した。
「ん……? もしかして、俺を誘惑してたのか?」
「ち、違うぅ~~っ」
泣きっ面に蜂状態で妹を追い詰めてくる兄に、ヴィヴィは半泣きで否定する。
「じゃあ、確かめていい?」
「え……?」
ソファーの背凭れと両腕の中に妹を囲い込んだ匠海が、ヴィヴィを上から覗き込んでくる。
「ヴィクトリアのエッチなあそこが、濡れてないか、確かめてもいいか?」
「なっ!? だ、ダメっ」
大きな灰色の瞳が零れんばかりに目を見開いたヴィヴィは、必死にそう抵抗する。
「どうして?」
「そ、外……だし」
「じゃあ、中に入ろうか?」
ちゅっとおでこにキスを落としながらそう確認してくる匠海に、ヴィヴィは焦る。