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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第19章
そう宣言した途端、ドレスの中の薄い胸の奥で何かがふつふつと湧き上がってくる。
それを胸に当てた掌でギュッと感じ取ると、ヴィヴィはきりっと表情を引き締めた。
「絶対に――! ……って事で、英気を養うために、ケーキを食べよう!!」
ヴィヴィはそう言い切ると兄二人ににっこりと笑いかけ、二人の腕に自分の両腕を絡ませるとずんずんとデザートの饗されているテーブルへと向かう。
「あ~あ、食い気に走っちゃった」
「ヴィヴィ……まあ、元気になったならいいや……」
匠海とクリスは口々にそう言いながらも、ヴィヴィに引っぱられながら苦笑する。
そんなヴィヴィ達に気付いた女子達がまた不服そうな声を上げる。
「あ~、またヴィヴィが両手に花してる――!」
「羨ましいぞ~っ! 一人分けなさい!!」
口々にそう言いながらもヴィヴィを輪に招き入れてくれた友人達に心の中で感謝しつつ、明後日のロシアへの旅立ちに思いを馳せたのだった。