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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第97章
インタビューを終えた双子はそのままレッスンに移り、朝比奈が用意してくれたディナーをカフェテリアで摂ってから、また練習に励み。
いつもより長い練習時間にくたくたになった双子が、帰途に就こうとした時、その後ろ姿に牧野マネージャーが声を掛けてきた。
「双子とも~、今日中にHPの内容、送ってこいよ? そしたらもう中国杯終わるまで、更新しなくていいから」
「「は~い……」」
ベンツに乗り込んだ双子は、互いに凭れ掛かる様にスマホを弄っていた――もちろんHPの内容を考えるために。
ヴィヴィはうんうん唸りながら、ヴィヴィ′S DIARYの内容を打ち込む。
『NHK杯まで7日、中国杯まで14日となりました。
特にNHK杯は今シーズン初戦で、かつ日本での試合。
緊張 & ドキドキわくわくしています。
先日、クリスがとても大切な事を思い出させてくれました。
日々のスケジュールに追われ、
上手くいく時とそうでない時、それを繰り返し。
見失いがちな初心を、本当に大事なものを、
目を逸らせていた自分に、クリスが目の前に広げて見せてくれました。
本当に優しくて、素敵で、大切な双子の兄です。
あ、明日、学園祭で、クリスはダンスでソロを踊るんですよ!
滅茶苦茶クールで、しびれます!!
自分に関わる沢山の方々。
その期待や応援に応えられる様、そして自分が納得出来る様、
GPシリーズ、頑張ります!
添付写真:教育兄モードのクリス。怖いデス……。』
一方、隣のクリスはというと、秒速でクリス′S DIARYの内容を打ち込み、牧野に送信していた。
『明日は学校の学園祭です。
ヴィヴィは今日も張り切って、アイリッシュ・ダンスの練習をしていました。
衣装もクラスメイトが、張り切ってクールな物を用意してくれて、
それを纏った可愛いヴィヴィをお見せ出来ないのが、本当に残念。
いつか、ショーで2人で再現してみたいです。
試合、頑張ります。
添付写真:勉強中に、寝るな。』