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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第98章
「知子ちゃんだって、ヴィヴィに負けないくらい、“ガリガリ子ちゃん”だと思うけど?」
30キロという恐ろしい体重を誇る彼女を、しげしげ見下ろすヴィヴィに、宮平が悔しそうに見上げてくる。
「“ガリガリ子ちゃん” ってなにさ~っ!?」
「ん……、ヴィヴィ、よくそう言われるの……」
そう言って自分の貧相な身体に凹んだヴィヴィに、グレーのスーツを纏ったクリスが近付いてくる。
「どうしたの……?」
どうやら、会場前できゃいきゃい言い合っていた2人は、相当目立っていたらしい。
「あ゛ぁ~~っ!! クリスとヴィヴィに囲まれたら、私……っ」
そう唸る宮平を、双子が瓜二つの顔で「「ん……?」」と見下ろす。
「人間に両方から手を繋がれてる、小人宇宙人じゃないか~っ」
そう言って綺麗に結った頭を抱える宮平に、双子が面白がる。
「あははっ 宇宙人~! ヴィヴィも宇宙人したい~っ!!」
「じゃ、手、繋ごう……」
悪乗りする双子に左右から手を取られた宮平は、そのままボールルーム内へと引っ張って連行される。
「や~め~て~っ!!」
165cmに10cmヒールを履いたヴィヴィと、185cmのクリスに両方から手を繋がれた144cmの宮平は、バンケット会場に既にいた選手達から、散々「ET?」「未知との遭遇?」とからかわれたのだった。
お偉いさんの挨拶やら、記念品の授与等の進行が進んでいく中、ヴィヴィは周りに断わって化粧室へと席を立った。
ホテルの贅を尽くされた美しいそこで、ヴィヴィは用を済ました後、姿見に映った自分をしげしげと見つめる。
オフホワイトのベアトップミニのワンピ。
木綿を多く含むその素材はしわ加工がなされていて、胸下のハイウェストの切り替えしから下はAラインを描いている。
むき出しのデコルテと耳元、そして手首には、ゴールドの大ぶりのアクセサリーが着けられ、まるで棒っきれの様な細長く露出した足元は、こちらもゴールドの10cmヒールのサンダル。
(お兄ちゃんが見たら、怒り狂うな……)
今日のコーディネートのテーマは、それだった。