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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第99章          

「…………リア……」

 丸みの残る頬に触れる、骨っぽい感触。

 何度も輪郭を辿るそれの質感が、回数を重ねるごとに、より鮮明となる。

 少しの硬さを覚えていた指の背の感触が、ある時を境に柔らかな弾力を持つ指の腹へと変わった。

「……ん……」

 微かに漏れる咽喉を鳴らす様な声に、自分に触れていた手が増える。

 左頬だけに感じていた指の感触は、薄い唇にも触れてくる。

「ヴィ……ト、リア……」

「……ぅん……?」

 自分を呼ぶ声を聞き取り、ヴィヴィはうっすらと目蓋を開ける。

 霞んだ視線の先にいるのは、おそらく、兄の匠海――?

(……あ、れ……、ヴィヴィ、うたた寝、しちゃった……?)

 細めていた瞳を何度か瞬いて、やっと焦点を結んだ視線に映し出されたのは、やはり兄の姿。

「……ヴィクトリア……。ごめん……」

「…………え……?」

(ごめん……って、何が……?)

 匠海の言葉に小さく首を傾げたその時、

「もう、我慢できない――っ」

 その言葉と共に、自分へと伸ばされた兄の両腕は、華奢な二の腕をナイトウェアの上から強く掴み上げてきた。

「えっ やっ!? なっ ……なに?」

 ヴィヴィは寝起きであることも手伝い、自分に何が起きているのか、すぐには分からなかった。

 ただ、1ヶ月前から自分に触れて来なかった兄が、今自分に触っていることだけは気付いた。

「お前が悪いんだよ。毎日毎日、お風呂上がりのいい香りをさせて、俺の前に現れて……っ」

「えっ!? そ、んな……、だって……っ」

 兄の言い分に、自分だって言い分があって口を開くのに、

「ずっと我慢していた。しっとりとしたこの肌に触れるのをっ お前の甘酸っぱい香りを嗅ぐのをっ」

「やっ! ダ、ダメ……っ」

 自分を椅子へと縫い止める兄の両腕は、指先で妹の柔らかさを確認するように、腕の上の往復を始める。

 そして近付いてくる、匠海の切なそうな美しい顔。

 首元に埋められる兄の顔に、ヴィヴィがびくりと大きく震える。

 すんすんと鼻を鳴らして自分の匂いを確かめる兄に、ヴィヴィは悲鳴を上げた。

「やっ!? いやっ やめ……てっ!」

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