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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第99章
自由になった両腕でまた兄の肩を押し返すヴィヴィを、匠海は「しょうがないな」と呟くと、片手で拘束しながら自分のネクタイを解き、それで妹の両手首を拘束してしまった。
その腕の中に首を潜り込ませられ、ヴィヴィは全く両腕が使えない状況に陥った。
薄桃色のナイトウェアの前合わせのボタンを、匠海の長い指先が解いていく。
そして直に乳房を触られた途端、ヴィヴィは悲痛な叫びを発した。
「いやっ いやぁあっ!! どうして……っ!?」
自分の無防備な小さな膨らみが、兄の手によっていい様に玩ばれる。
悲嘆に暮れた顔で抵抗し続ける妹に、匠海はその鼻先で囁いた。
「嘘を吐くんじゃないよ」
「……え……?」
(嘘……? 嘘って……?)
「ずっと俺にこうされたかったくせに」
きゅっと摘ままれた両胸の尖り。
「ひぅ……っ!?」
切羽詰まった喘ぎを喉の奥から発したヴィヴィは、絶え間なく与え続けられる乳首への刺激に、唯一自由な首を左右へと必死で振った。
パンっ
何かが破裂する様なその音に、びくりと躰を戦慄かせたヴィヴィは、恐るおそる首を巡らせてその音の正体を探る。
デスクの下、粉々に砕け散ったガラスの砂時計が、ただの細かいガラス片と黒い砂へと成り下がっていた。
「……――っ」
ヴィヴィの灰色の瞳が、それを映し出したまま強張る。
あれは、兄が自分の為に用意してくれた物なのに。
ヴィヴィの心が整うまで、毎日10分、ゆっくりと時間を積み重ねていこうと、約束してくれた物だったのに。
(ヴィヴィ……、分かんないのに……、
まだ、自分の気持ち、よく、解んなくて……っ
気持ち、整理して、受け入れられるようになるまで、
それまで、待っていて欲しかったのに……っ)
自分の躰を這い回る兄の掌。
捲り上げられる、くるぶし丈のスカートの裾。
薄い腹の上まで露出させられた、生白い躰。
その全ての兄の行いを感じてはいるのに、ヴィヴィはもう抵抗する気力さえなかった。