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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第99章
「お……にぃ、ちゃん……っ」
兄の胸の中で、ヴィヴィはその名を呼ぶ。
それは決して、兄に抱きしめられて喜んで上げた声ではなかった。
絶望の声。
自分を待ってくれなかった兄に対する、拒絶の声だった。
けれど匠海はその声を、誘っている声と取ったらしい。
かちゃかちゃと金属音を立ててベルトを外した兄は、ズボンの前を寛げると、デスクの上からゆっくりとヴィヴィを抱き上げた。
胸から下を露出させられていた躰が、椅子に座る匠海の腰に跨らされたことにより、まるで今までの行いを掻き消すように、薄桃色の布地で覆い隠された。
「ほら、ヴィクトリアの大好きなもの、あげようね」
「……え……?」
顔中に小さなキスを降らせていた兄のその言葉に、ヴィヴィははっと目の前の匠海の端正な顔を見返す。
咄嗟に逃げを打とうとしたヴィヴィだったが、拘束された両腕は兄の首の後ろで止められ、兄の腰に跨らされた自分の両脚は、床からぶらんと離れていて、どうやっても逃げられそうにない。
それに気付いた時には、時すでに遅し。
軽く持ち上げられた自分の腰。
そしてその中心の熱く潤った膣口に確実に狙いを定めて擦り付けられる、ひと月ぶりに目にした匠海の亀頭の先。
その大きさに瞳を見張ったヴィヴィの目の前で、匠海は妹の腰を落としていく。
「見てごらん……。お兄ちゃんが、お前の中に入っていく」
「や……っ!? いやぁっ 駄目っ! ~~~っ」
まるでめりめりと音がするかのように、強引に割り開かれていく自分の膣道。
気持ち良さよりもその太さに慣れず、ヴィヴィは咽喉をのけぞらして必死に息を継ぐ。
「……っ ぁあっ 凄、い……っ」
もう待ちきれなかったのか、匠海は腰を持ち上げて自分からも妹の中へ捻じ込んできた。
「ぉ……きぃっ ……っ ぁあんっ」
「ん……? ああ、大きいって? ヴィクトリアは、こんなに華奢なのに、大きいの、好きだもんな? くぅっ きつい……っ」
まだ1/2程しか挿入していないのに、匠海は顔を歪めて少し辛そうな表情を浮かべてくる。
(そ、んなっ ち、違う……っ)
「やぁ……、抜い……てっ」
四肢の自由を奪われたヴィヴィは、せめてもの抵抗として背を仰け反らせ、少しでも兄との距離を取ろうと図る。