この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第99章          

 錠剤のシートを見つけたヴィヴィは、震える指でその隅の1錠を取出し口に含むと、洗面所の水でそれを飲み下した。

 それで少しは落ち着きを取り戻したヴィヴィだったが、薄い唇からふぅと息を吐き出した瞬間。

 どくどくと膣内で吐精される生々しい感触を思い出し、ぐしゃりと顔を歪めた。

「………………っ」

(……もう、生理……、ほとんど、終わっちゃって、るし……っ こわ、い……、怖いよっ)

 ヴィヴィはその場に崩れ落ちるように床にへたり込むと、錠剤のシルバーのシートを握り締めて泣き出した。

 全ては夢の中の出来事と分かっているのに、許せなかった。

 自分を待ってくれなかった兄に。

 結局は快楽に弱くて、流されてしまった自分に。

 そして、

 「お兄ちゃんが好きだよ」と、求められるままに口走ってしまった、己のその弱さに――。






 11月1日(日)。

 早朝からのスケートのレッスンを終えたヴィヴィは、帰宅してクリスと勉強に明け暮れた。

 勉強している間は驚異の集中力を見せるが、休憩中はなんだか元気のないヴィヴィに、クリスは心配そうに「どうしたの……?」と尋ねてくれた。

 その度に「何でもないよ~」と明るく答えていたヴィヴィだったが、就寝時間が近づくにつれ、その表情はどんどん曇っていく。

 今日の午後――リンクでのレッスンが終了した頃、兄から一通のメールが届いていた。

『昨夜は、約束守れなくて、本当に悪かった。

 ごめんな。

 今日はちゃんと帰れるから、ヴィクトリアの話、
 
 2日分、いっぱい聴かせて?』

 その兄の謝罪のメールに対し、ヴィヴィは返事を返さなかった。

 お風呂から上がったヴィヴィは、いつものくるぶし丈のナイトウェアではなく、白と水色の太いボーダーの、もふもふ素材のパーカーとホットパンツを身に纏った。

 セットのもふもふニーハイソックスを履こうとしたヴィヴィだったが、何故かそれを止め、脚の付け根からつま先まで露出した状態で、ハーブティーを淹れて飲んでいた。

 いつも通り12時過ぎに現れた兄に、ヴィヴィは残っていたハーブティーを飲み干すと、カップをテーブルに置いて立ち上がった。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ