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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第99章          

「……いいんだもん」

 そうぼそっと呟いたヴィヴィは、今この場でヨガをしている意味を思い出す。

 そう――自分は目の前の兄を誘惑しようとしてやっているのだから、正直ヨガの定義などどうでもいいのだ。

「可愛いな、ヴィクトリアは」

 驚くべき事に目の前の匠海には、今の自分は “可愛いヨガポーズ” にこだわる、愛らしい妹に映るらしい。

「…………く、ない」

 兄の言葉を弱々しく否定しながら、ヴィヴィは心の中で呟く。

(本当に可愛い女子は、こんな事、絶対しないもん……っ)

「じゃあ、これは?」

 そう兄が見せてきたのは、睡眠のポーズ。

 それを目にしたヴィヴィは、また頬を膨らまして喚いた。

「これっ さっきのポーズの、上下反対バージョンっ!」

 画面に映し出されていたのは、先程ヴィヴィが嫌がった眠る亀のポーズを、裏返しただけのものだった。

「あははっ でも、出来るだろう?」

 心底楽しそうにそう確認してくる兄に、ヴィヴィは両拳を作って言い返す。

「で、出来るけどっ やだもんっ」

(って言うか、こんな複雑な格好で“睡眠”とる人なんて、いないと思うの)

 確実に寝違えそうなそのヨガのポーズに、ヴィヴィは首を振った。

「ふっ はいはい。我が儘お嬢様」

「むぅっ ……ヴィヴィ、我が儘じゃないもんっ」

(いや、我が儘だけど……。最近、自覚したけど……。なんか認めたくない、お兄ちゃんの前では)

 そう心の中で言い訳したヴィヴィを、iPadに視線を落としていた匠海がゆっくりと顔を上げて見つめてきた。

「じゃあ、何がいい?」

「え?」

「 “我が儘” の反対は…… “素直” ? それとも、 “従順” ?」

 優しい微笑みを湛えながら妹に尋ねてくる兄が並べたその単語を、ヴィヴィは眉間を寄せて否定した。

「……それも、違う……」

 “素直” で “従順” な妹ならば、Tシャツの襟もとからキャミが覗いてるかな? とか、兄がよく褒めてくれた長い脚が見せつけられているかな? なんで絶対に考えないだろう。

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