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第100章 　 　 　 　　

「ああ、なんて可愛いんだ。ヴィクトリアっ」

　くしゃりと顔を歪めた兄は、ヴィヴィの躰の表面を余すところなく触れてきた。

　細い頤、浮き出た鎖骨、なだらかな曲線を描く小さな肩、皮膚の薄い二の腕の内側、ピンク色に染まった指先。

　腰のくびれをを何度も辿る大きな掌を、ヴィヴィは切なそうに瞳を細めて受け入れる。

「温かい……、お兄ちゃんの、手……」

「お前の肌も……、でもここはちょっとヒンヤリしてるかな？」

　そう言って伸ばされたのは、うっすらと肋骨が浮き出た上、形の良い小ぶりな乳房。

「あっ　……、は……、うんっ」

　自分の視線の先、匠海の大きな掌で白いそれがむにむにと色んな形に変えられる。

「柔らかい……っ　ずっとこうしてたいよ」

「お、にいちゃぁん……、あ……、好、き……っ」

　兄の背に這わせた両手で、引き締まった背筋としっとりとしたその肌触りを感じていると、既につんと起ち上がっていた尖りを口に含まれた。

「ひ、ひゃうんっ　……んっ　あっ　ぁあっ」

　ざらついた舌が乳首を押し込むように舐め潰す度、少し肉感的な唇がちゅううと薄紅色のそこを吸い上げる度、ヴィヴィの頭が枕の上で左右に振れる。

　乳輪を「じゅるる」と音を立てて吸い上げられながら、こちらを覗ってくる兄の上目遣いの視線と合えば、躰の奥底がずくんと疼く。

（な、んで……っ　お兄ちゃんだけ、こんなに色っぽくて……、こんなに素敵、なんだろうっ）

　左右の乳房の輪郭を、大きな掌で円を作るように絞り上げられ。

　そこに視線を落としたヴィヴィの目の前で、さらに盛り上がった乳首を匠海がゆっくりと舐め始めた。

「あっ　そんな……っ　ダメっ」

「……、どうして……？」

　レロレロと舌の広いところで、浮き出た乳首を苛め抜く兄のその意地悪な問いに、ヴィヴィは泣きそうに顔を歪める。

「あんっ　えっち……、えっち過ぎるぅ～……」

　兄の掌で絞られて、卑猥に浮き上がったその尖りを更に舌で虐められて。

　左右交互にきゅきゅと甘噛みされれば、ヴィヴィの唇から洩れるのは切羽詰まった嬌声。

（気持ち、いい……、お兄ちゃんのくれる全部、良くて……。お胸、じんじんするのっ）