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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第100章         

 ヴィヴィが両手で匠海の手を握り締めると、兄の唇が一層強く肉芽を吸い上げた。

「……――っ ぁあああんっ だ、めぇ……っ あっ お、に……ぃっ ~~っ!!」

 ただただ、気持ち良かった。

 ただの小さな尖りひとつ愛されるだけで、ヴィヴィの蜜壺は狂った様に蠢き、互いの肉ひだを擦り合せながら絶頂を目指す。

 ふわりと躰が腰から浮き上がった様に感じ、ヴィヴィは自分をそこに繋ぎ止めようと、必死に兄の手を両手で握り直し。

「……――っ!! ……、ぁ……っ ぁああんっ あ、ダメェっ」

 達したばかりのヴィヴィの、虚しく締まり続けるそこに、兄の指が強引に捻じ込まれた。

 欲しかった質量のあるものを与えられ、ヴィヴィの肉襞がもう逃さないとでもいうかの如く、兄の指を締め付ける。

 肉芽への口淫は続けられ、兄の長い指で深くまで突き上げられ、ヴィヴィはまた絶頂に昇らされた。

「……っ ああ、ヴィクトリア、指……、折れそうだよ」

 やっとクリトリスは解放してくれた兄が、妹の締まり過ぎるそこに指を咥えさせたまま、躰を起こした。

「……も、……っ む、り……、ムリ~……っ」

 薄い胸を苦しそうに喘がせてそう呟くヴィヴィの隣、躰を横たえた匠海がその躰を抱き寄せた。

「俺の手を握り締めて、イっちゃうなんて……、愛らしい子だね……」

「あ、お……、お、にいちゃ、ん……。もう……」

(イき過ぎて、馬鹿になっちゃうよ……)

 力の入らない片腕を伸ばして兄の首に縋り付けば、宥める様によしよしと躰を撫で擦られる。

 けれどまだ自分を貫いたままの兄の指が、くちゅくちゅとそこを撹拌し始めて。

「来、て……? ぁん……っ 早く、きてぇ……っ」

 目の前の兄の肩に額を擦り付けながら、ヴィヴィは匠海に催促する。

「ん?」

 必死に兄自身を求める妹に、匠海はそう短く聞き返す。

「いじわる……、しない、でっ お願い……っ」

(お兄ちゃんの、欲しい……、お兄ちゃんがいいのっ)

 すると抱擁を緩めた匠海が、申し訳なさそうな表情でヴィヴィの顔を覗き込んでくる。

「悪い……、実は、用意してなくて……」

「え……?」

(……用意って……?)

 ヴィヴィは兄の意図することが分からず、その瞳を間近で見つめ返す。

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