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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第100章         

「コンドーム……。だから今日は、ヴィクトリアだけ気持ち良くなろうね」

(そ、んな……っ やだぁ……っ お兄ちゃんも、おにいちゃんのも、欲しいのっ)

「……やぁ……っ」

 泣き出す一歩手前の表情で兄に縋れば、匠海は眉尻を下げて苦笑する。

「嫌って言っても、しょうがないだろう?」

 ゴムをせずに性行為をし、外に射精したとしても、先走りの雫の中には精子が含まれている。

 その事実は、いくら性行為に疎いヴィヴィだって知っていた。

 妹を落ち着かせようと小さなキスを顔中に降らせる兄に、ヴィヴィは掠れた声で続けた。

「…………いい、よ」

「え?」

「お兄ちゃんの、そのまま、で……」

 必死に自分を見つめてくる妹を、匠海は一瞬驚いたように目を見張ったが、すぐに苦笑してその主張を退けた。

「それは無理」

「……ヴィヴィ、大丈夫だよ……?」

「馬鹿……。大丈夫とか、そういう問題じゃないよ。お前にばかり、負担掛けさせられない」

 ヴィヴィの中から指を抜き取った匠海が、苦しそうな表情でそう口にした。

 ヴィヴィの薄い腹を押し返すそれは、もうこれ以上ないほど充血し硬くなっているのに。

 その切れ長の瞳は、手を伸ばせばすぐそこにある快楽に、期待するように潤んでいるのに。

(……お兄ちゃん……、ヴィヴィのこと、大事にしてくれてるんだ……)

 その薄い胸の奥に広がったのは、嘘偽りのない幸せ。

 愛されている。

 大事にされている。

 兄は本当に、自分を好きでいてくれるんだ。

 あまりの幸福に目頭が熱くなり、ヴィヴィはそれを誤魔化す様に唇を引き結ぶと、目の前の兄の瞳を覗き込んだ。

「…………飲んでる、もん」

「え?」

 匠海が零したその呟きに、ヴィヴィは恥ずかしそうに小声で呟く。

「い、1週間前、から、ピル……」

 ハロウィンパーティーのあった夜、ヴィヴィは兄の書斎でうたた寝し、匠海に無理やり抱かれる夢を見てしまった。

 その日から精神安定剤の代わりに、毎日欠かさず服用している薬剤のシートには、ちょうど7つ穴が開いていた。

「飲んでる? 本当に?」

 先程まで我慢して苦しげだった兄の顔が、驚きの表情を浮かべ、ヴィヴィに確認してくる。

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