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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第100章         

「うん……、だ、だから……」

(もう……、我慢出来ないっ お兄ちゃんの、ちょうだい……?)

 そう気持ちを込めて見つめ返せば、匠海が蕩けそうなほど顔を弛緩させて、ヴィヴィに囁いた。

「じゃあ、受け止めてくれるか? 俺のこと」

 その問いに返されたのはもちろん、

「ん……。お兄ちゃん……ヴィヴィの事、愛して……っ」

 もう匠海も限界だったのか、妹の肩を抱き寄せたまま片脚を持ち上げると、亀頭の先を濡れそぼった膣口へと押し当て。

 ゆっくりと寄せられていく匠海の腰と、ぴくぴくと震えながら兄を受け入れるヴィヴィの腰が、やがて触れ。

 もう4度も達したヴィヴィは、惚けた様に弛緩して兄に全てを委ねた。

「……おにい、ちゃん、の……?」

 深くまで貫いている逞し過ぎる剛直に、ヴィヴィが夢見心地でそう呟けば、

「そうだよ……。俺のだよ」

 こちらも熱に浮かされたように瞳を潤ませた匠海が、うっとりとヴィヴィに返す。

(……おにいちゃん……の……)

 その途端、ヴィヴィの小さな顔がくしゃりと歪み、小刻みに震え始めた唇からは、嗚咽が漏れた。

「……っ ぁあっ お兄ちゃんのっ お兄ちゃんのぉ……っ!!」

 ぼろぼろと涙を零すヴィヴィに、匠海は驚いた様子もなくその躰を胸に抱き寄せる。

 兄を男として愛していると自覚したのが、14歳の夏。

 それからもう3度の夏を迎え、そして今、これから訪れる冬を、目の前の愛しい兄と一緒に迎えられるなんて――。

 一体誰が想像出来ただろう。

 当事者の自分でさえ、何度何度もも諦めかけたのに。

「おにいちゃん……」

 そう呼べば、愛おしそうに見つめ返してくれる匠海がそこにいて。

 互いの躰はぴったりと寄り添い、そして奥深くで繋がっている。

「愛しているよ、ヴィクトリア」

 兄の甘い愛の言葉に、

「ヴィヴィのほうが、もっと、愛してる」

 泣き笑いの顔でそう対抗すれば、匠海の端正な顔が途轍もなく嬉しそうに綻んだ。

「じゃあ、俺はその10倍は愛しているって、ヴィクトリアの躰に覚えこませることにする」

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