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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第101章          

「ええっ!? こ、これはフランスのギヨーム・シゼロン選手だよ……、アイスダンスの」

 白いベアトップのミニスカワンピのヴィヴィの肩を抱き、笑顔で写真に納まっている長身の男性をそう説明した妹に、匠海は不満そうに追及してくる。

「ほう。えらく親しげだが、口説かれたんじゃないのか?」

「ま、まさか……っ だって25歳だよ? ヴィヴィより8歳も上だよ?」

(っていうか、お兄ちゃんより年上ですが……)

 実際、彼には会う度に『お子ちゃま』呼ばわりされ、いつも散々からかわれている。

「ふむ……。じゃあ信じてあげるから」

 そこで言葉を区切った匠海を、ヴィヴィはホッとしながら見上げたが、

「今度これを着て、寝室に来なさい」

「えぇ……っ!?」

 続いた兄の言葉に、灰色の瞳を見開いた。

(……ていうか、どこから手に入れたの、この写真?)

 バンケットは関係者以外出入り禁止で、その関係者の誰かがHP等に掲載したりしない限り、そこで撮られた写真は外に出回らない筈だが。

「え、じゃありません。分かったね?」

 そう言い含めてくる兄に、ヴィヴィは必死で抵抗する。

「……や、やだよぉ……」

 なにせ、あのワンピを選んだ理由が “理由” だから。

「嫌だと? じゃあ、『分かりました』ってお返事出来る様に、可愛がってあげようね」

 そう恐ろしい事を口にした匠海は、腕の中のヴィヴィの腰を両手で掴むと、ひょいと持ち上げ膝立ちにさせ。

 あろうことか白いネグリジェに包まれた妹の胸の膨らみに、顔を埋めてきた。

「え? きゃっ やっ! だ、だめぇ~~っ」

 ヴィヴィは咄嗟に両手で匠海の肩を押し返したが、さらに強く腰を抱き寄せられて。

(は、恥ずかしいっ こんな明るいところで……っ)

「気持ちいいな、この生地も、ヴィクトリアの可愛いおっぱいも」 

 ヌーディコットン越しの妹の柔らかな感触に頬をすりすりし、片手で優しく揉み込んでくる匠海に、ヴィヴィは可愛らしい声を上げて身を捩る。

「はぅ~~っ だ、だめだよぉっ ぁんっ」

 兄の触り方が厭らしくて、速攻気持ち良くなり始めたヴィヴィは、焦って抵抗する。

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