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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第101章
「あっ ……ん……っ ッ はぅ……っ」
くちゅくちゅと厭らしい音を立てながら、妹の舌を絡め、互いを擦り合せる匠海の舌に、ヴィヴィの躰が弛緩していく。
からかわれる様に頬の内側の粘膜を舌先で突かれ、敏感な上顎を擽られ、びくびくと震える華奢な肢体は、まるで慰める様に大きな掌で擦られて。
(きもち、いい……、もっと、もっと、ヴィヴィに触れて……っ)
口内を掻き回されながら肩のライン、背中、腰を撫で回され。
肝心な場所は触れられていないにも関わらず、ヴィヴィの恥ずかしいところはじっとりと熱く潤み始めた。
「……、ぉ……にぃ……っ ぁんっ」
甘い声で匠海を呼びながら紺のスーツの襟に縋り付いたヴィヴィだったが、兄はそれ以上の事はしてくれず。
唇を離されて物足りなさに眉根を寄せたヴィヴィを、匠海はぎゅうとスーツの胸に抱きこんだ。
「はぁ……っ 俺を煽っては駄目だよ、ヴィクトリアっ」
そう妹を諭す兄の吐息は、湿っていてとても熱くて。
「お、にいちゃ……っ」
ぶるりと躰を振るわせるヴィヴィを、匠海は更に強く抱き締めた。
「土曜……、土曜日まで、我慢だよ……?」
「……ん……」
その兄の言葉は、まるで匠海自身に言い聞かせているようにも聞こえた。
それから土曜日までの3日間。
ヴィヴィは悶々として過ごしていた。
(あぁ……、受験生ってもう、ホント最悪っ!! お兄ちゃんといちゃいちゃ、したいよぉ……っ)
実際は毎夜いちゃこらしているにも関わらず、そう望んでしまうのはしょうがないだろう。
「……1週間……なんだもん……っ」
バスルームの鏡の中の自分が、不満そうに唇を尖らせている。
兄の匠海と和解し、恋人関係になれたのが、ちょうど1週間前。
匠海は毎日ヴィヴィに愛を囁き、数えきれないくらいのキスをくれはするけれど、それ以上はほぼ無くて。
ヴィヴィは洗面台の陶器に両手を添え、きゅっと握り締める。