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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第101章
「そうだね。こんな可愛い格好してな?」
「これは……、お兄ちゃんの言い付け、守っただけなんですけど……」
まるで自主的にこの格好をして来たみたいに言われ、ヴィヴィは「むぅ」と唸る。
「お願い、ヴィクトリア。ちょっと立って、全身を見せて?」
「え~~……」
「頼むよ。ほら、せっかくサンダルまで履いてくれてるんだから、ね?」
「……しょうがないなぁ……」
口ではそんな可愛くない事を呟きながら、しぶしぶベッドから降りたヴィヴィだったが、内心は180度異なり、実は兄にちゃんと全身を見て欲しかった。
匠海のいるベッドから2m程離れて立ったヴィヴィは、恥ずかしそうに兄を見つめる。
その華奢過ぎる肢体を包むのは、オフホワイトのベアトップ・ミニワンピ。
木綿を多く含む素材にはしわ加工がなされており、ささやかに膨らんだ胸、ハイウェストの切り替えしから下は、Aラインを描き、脚長効果は抜群で。
剥き出しのデコルテと耳元、そして手首には(そこまで兄に求められていないにも関わらず)、ゴールドの大ぶりのアクセサリーが着けられ。
まるで棒っきれの様な細長く露出した足元は、こちらもゴールドの10cmヒールのサンダルを履いていた。
それらは全て、乙女心の現れである。
ヴィヴィだって、思春期真っ只中の女の子。
大好きな人には「スタイルいいね」「可愛いね」「似合ってるね」と誉められたい。
だから少しでも脚が長く綺麗に見える様、サンダルを履き。
ちょっとでも大人っぽく見られる様、アクセまで着けたのだ。
そしてそのヴィヴィの努力は報われたらしく、目の前の匠海は熱い眼差しで自分の全身を見つめていた。
「はぁ……っ どんだけ可愛いんだよ、お前はっ」
「か、可愛い、かな……?」
恥ずかしそうにミニスカートの裾を握るヴィヴィに、匠海はうっとりと囁いてくる。
「ああ、もう全身嘗め回したいくらい可愛いよ」
「な……、なんかヤダっ」
若干の嫌悪を覚えたヴィヴィが咄嗟にそう呟けば、言い過ぎたと思ったらしい匠海が苦笑する。