この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第101章          

「ふっ 今のは気持ち悪かったな。ヴィクトリア、くるってその場で回ってごらん?」

「え……、恥ずかしい……よ」

 ぽっと瞳の下を赤らめたヴィヴィに、匠海は妹の心を揺るがす甘い言葉を囁く。

「お願い。そしたらお前の言う事、何でも叶えてあげるよ」

「……なんで、も……?」

 何故かより恥かしそうにそう確かめてくるヴィヴィに、兄は大きく頷いて促した。

「ああ、何でもだ」

 その答えに勇気付けられ、ヴィヴィはゆっくりとゴールドのサンダルに包まれた細い爪先をずらし始める。

 まるでコマ送りの様に兄の前で一周してみせたヴィヴィに、匠海は更に要求を口にする。

「ヴィクトリアの綺麗な肩甲骨が見たいから、髪を前に垂らしてごらん」

「え……、う、うん……」

(肩甲骨……? なんか、マニアック……)

 ヴィヴィは言われた通り、右手を首の後ろにやり、右肩の前に全ての髪を寄せると、また同じ様に――今度はもう少しスムーズに一周して見せた。

 大層ご満悦に微笑んでいる兄に手招きされ、ちょこちょこ歩いて傍に寄ったヴィヴィは、匠海に両手を握り締められ、その股の間に立たされた。

「ヴィクトリア、頼むから怒らないでくれる?」

「へ……?」

(怒る……? 何を?)

「だって言いたくて言いたくて、しょうがないんだよっ」

 眉根を寄せて苦しそうにそう言い募る匠海に、ヴィヴィは心底不思議そうに首を傾げる。

「はあ……、何をですか?」

「やっぱり、ヴィクトリアは “お人形” みたいに可憐だ」

「え゛……っ」

 まさかの兄の賞賛の言葉に、ヴィヴィは嫌そうに変な声を上げて絶句する。

「分かってる。お前が “人形” みたいと言われるのが、大嫌いだという事は、重々理解している。けれどしょうがないだろう?」

 何故か異常な熱心さでそう主張してくる匠海に、ヴィヴィは若干引きつつ、尋ねてみる。

「な、何がですか……?」

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ