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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第101章
敬語のヴィヴィに気付かないのか、匠海は包んだ妹の両手をぎゅっと握って力説してくる。
「だってお前ってば、手足は “成長期の少女” の様に細長くて信じられないくらい美しいし、この可愛らしい顔は小さいのに瞳は零れ落ちそうなくらい大きいし、それにこのくびれた腰……っ “お人形” 以外の形容詞しが見当たらないくらい可愛いのだから、しょうがないじゃないか!」
まるで逆ギレするかの如くそう言い切られ、ヴィヴィは両手を掴まれたまま一歩下がってしまった。
「……えぇ~~……」
「頼むから、ドン引きするな」
その兄の懇願に、ヴィヴィは恐るおそる唇を開く。
「お、お兄ちゃんって……、前から、思ってたんだけど……」
「みなまで言うな」
「……はぁ……」
何故か下から睨まれたヴィヴィは、そう脱力した声を零しながら、剥き出しの肩を竦めてみせた。
「ヴィクトリア、俺に跨って?」
掴まれた両手を軽く引かれながらそう甘えられ、
「……変なこと、しない……?」
ヴィヴィは油断ならないと、警戒心も露わにそう確認した。
「エッチな事は沢山するけれど、変な事はしない」
そう兄に自信満々に言い切られては、もう何も言い返す気になれず。
「………………」
(やっぱり、お兄ちゃんって……、相当な、エロ変態絶倫ロリ王子、だ……)
でもそんな匠海が好きなのだからしょうがない。
惚れた弱み……と、ヴィヴィは請われるがまま、匠海の長い両太ももの上に跨った。
途中、サンダルを脱ごうとしたヴィヴィに「あ、なんかエロいから脱ぐな」と指摘してきた匠海には、本気で引いたが。
「それで?」
ヴィヴィの顔と同じ高さにある匠海の端正な顔が、幸せそうに妹を覗き込んでくる。
「え?」
(それで……って?)
「ヴィクトリアが叶えて欲しい事って、何?」
兄にそう促され、ヴィヴィはすっかり忘れていた、先ほどの匠海とのやり取りを思い出した。
「……嫌いに、ならない……?」
「なる訳がない」
そんな風に尋ねてくる妹の顔中にキスを降らせてくる匠海に、ヴィヴィは擽ったそうに身を捩りながら、再度確認する。
「ほんとう……に?」