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第101章 　 　　　 　　　

　ゆっくりと動き始めた匠海に、ヴィヴィはその腰の動きの邪魔にならない程度に両脚をその上で交差した。

　細いヒールが兄の腰を傷つけないか心配しながらも、ぐちゅぐちゅと捏ね回される蜜を纏った柔肉が、徐々に限界を訴えてくる。

「おにいちゃんっ　イっちゃう、イっちゃうよぉ……っ」

「凄く、絞まっ……てっ　ぁあ、イこうっ」

　最後、弱い膣裏をごりごりと抉られ、ヴィヴィは匠海を喰い絞めて、快楽の世界へと放り出された。

　それから数秒遅れ、匠海の躰がぶるりと大きく震え、妹の最奥を抉りそこで硬直した。

「――っ　はっ　はぁっ　あ、ぁあんっ　お、に、ちゃん……っ」

「ヴィク、トリア……っ　はぁっ」

　２人の息が乱れ、快楽の残滓を拾い集める様に、深く深く抱き合う。

　けれどヴィヴィには、匠海が達したのか正直分からなかった。

　いつもなら奥深くに注ぎ込まれる、暖かな精液の存在がそこには無くて。

「……い、イった、の……？」

　恐る恐る匠海にそう確認すれば、

「ん？　もちろん。１週間ぶりだったから、沢山出ちゃったぞ。見る？」

「えっ！？　い、いい……っ」

　兄のまさかの返しにすっとんきょんな声を上げたヴィヴィに、匠海はおかしそうに笑った。

「これからは、着てもいいよ」

　抱擁を緩めた匠海のその一言に、ヴィヴィは何の事か分からず、兄の顔を覗き込む。

「え？」

「ミニスカートだろうが、ベアトップだろうが、キャミソールだろうが。好きな物、着ていいよ」

　妹の汗ばんだ前髪を払いながらそう囁く匠海に、ヴィヴィは心底驚いた。

「え……？　いいの？」

（あんなに嫌がってたのに……、どうして……？）

「うん。正直、お前の綺麗な手足や胸元が、他の男の目に晒されるのは胸糞悪いけれど……。でも、良く考えたらヴィクトリアが　“男を誘う”　目的で着る事は、無さそうだから」

「うん、それはない」

　きっぱり否定したヴィヴィだったが、心の中で言い直す。

（お兄ちゃんを誘う事は、あるかもだけど……っ　きゃっ♡）

「それに、こんなに可愛いヴィクトリアに、着たいものを着れない窮屈さ、を感じさせたくないからね」

「……お兄ちゃん」　

　兄の深い優しさに、ヴィヴィは匠海の首に巻き付けていた両腕に力を込めた。