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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第101章          

「『ヴィヴィともう1回、セックスしよう?』って」

「………………」

(拗ねてたんじゃなくて、からかわれてたのか……)

 今頃になってやっと気付いたヴィヴィは、自分の単純さを呪った。

「ほら、言ってごらん?」

 そう促す兄の声が心底楽しそうで、そしてなんだか甘えられている気がして。

 ヴィヴィはしょうがないと諦めて唇を開いた。が、

「ヴィ、ヴィヴィヴィヴィっ」

 どもるにも程があるだろうというくらいどもったヴィヴィに、匠海ががばっと顔を上げ、辺りを見渡す。

「警報か?」

 そうわざとらしく自分を虐める匠海の顔を、首に這わしていた両手で掴まえると、ヴィヴィはちゅっとその美しい唇に口付けし、

「~~っ ヴィヴィと、一緒に」

「一緒に?」

「き、気持ち良くなろう? もっと……」

 セックスという直接的表現は流石に恥ずかしく、ヴィヴィは遠まわしに兄を誘った。

 けれどそれは効果絶大だったらしく、

「ああ、俺を誑かす悪い妹だ」

 そう呻く様に発した匠海は、ヴィヴィをぎゅうとその胸に抱き締めたかと思えば、ぱっと離して上体を起こした。

 そして、

「……抜いちゃう、の……?」

 収めたままのまだ逞し過ぎる陰茎を、何故か抜き取ろうとする匠海に、ヴィヴィは哀しそうにそう尋ねる。

「うん、コンドームは1回1回付け替えないと、精子が零れるからね」

「……そう……」

「ふ。甘えん坊だね。離れたくないのか?」

「……ん……」

 図星を刺され、淋しそうに目蓋を伏せたヴィヴィに、匠海はその薄い腹を優しく撫でてあやしてくる。

「すぐに入れてあげるから、ちょっとだけ我慢な?」

「はぁい……」

「いい子だ」

 そう誉めながらゆっくりと己の半身を抜き取り始めた匠海に、ヴィヴィは大きな亀頭が膣口に引っかかった拍子に甘く啼いた。

「ぁん……っ」

 そんな妹に「可愛いね」と微笑み、にゅぽんと厭らしい音をさせて全て抜き取った匠海は、またヴィヴィから離れてベッドサイドに行ってしまった。

 ひとり、広過ぎるベッドの隅に置いてけぼり状態になったヴィヴィは、兄の方にごろんと横になり、その均整の取れた9頭身の裸体を見つめる。

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