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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第101章          

(……なんか……、なんだろ……。すごく、淋しい……)

 セックスの最中に、こんなに長い間離れた事は無かったし。

 兄の後姿を見つめている事なんて、もちろん無くて。

 何よりも、匠海の熱が感じられなくて。

 自分の躰を慰める様にその場で縮こまったヴィヴィを、避妊具を着け終わって戻って来た匠海が、苦笑してその躰を抱き上げる。

 ベッドの真ん中へと連れて行かれ、ゴールドのサンダルをやっと脱がせて貰えた。

 ヴィヴィも気になっていた、ゴールドの大ぶりのアクセサリーを外す――もっと耳元にも首元にも、匠海を感じたかったから。

「ほら、もう一度、俺を受け入れて?」

 ワンピースの裾を捲り上げ、細い両脚を割り開いた匠海は、ゴムを纏った昂ぶりを、蜜に濡れそぼった金色の茂みに擦り付けてくる。

 もうぷっくりした肉芽も、ひくついて兄を待ち望む膣口も、蜜を纏いながらぐちゅぐちゅ擦られる陰茎の刺激を喜んではいたが、ヴィヴィはもう我慢ならなくて、兄を誘った。

「……はや、く……」

(早く、ヴィヴィの中に、戻って来て……?)

「うん、……ほら、入ったよ」

 亀頭を捻じ込まれた時に少し引き攣れる感じはあったが、ヴィヴィはそれよりもやっと匠海が自分の中を満たしてくれた事に歓喜し、顔をくしゃりと歪める。

「うんっ お兄ちゃん……。寂しかった……っ」

 兄に触れようと伸ばした片腕に、匠海はその手を優しく掴むと、手の甲にちゅ、ちゅっと口付けを落とし、切れ長の瞳をヴィヴィに向ける。

「もう、お前はどれだけ、俺を虜にすれば気が済む?」

「おにいちゃぁん……っ」

 何にか分からないが凄く切なくて、ヴィヴィは甘ったれた声で兄を呼び続ける。

「ほら、今度はヴィクトリアの可愛いおっぱい、沢山愛してあげようね?」

 そう囁いた匠海は、木綿素材のベアトップを指先に引っ掛けて、下へとずり降ろしていく。

 ささやかな胸を少しでも形良く見せようとしていた、ストラップレスの白いブラも取り除かれ、ふよんとまろび出た白い乳房に、匠海の視線が注がれているのを感じた。

「はぁ……、綺麗だね、本当に」

「ぉ……、にぃ、ちゃぁん……っ」

 じいと熱心に見つめられて、ヴィヴィは恥ずかしくて自分の顔を両手で隠した。

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