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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第101章
「だってお前、『もう、いい』って、まだ言ってないじゃないか」
「あ゛……っ」
そうだった。
兄の指摘通り、ヴィヴィは匠海に、願い事をしていた。
『ヴィヴィが『もう、いい』って言うまで、いっぱい愛してっ』
――と。
ヴィヴィは咄嗟に片手を上げると、元気に発する。
「はい! 今、言う。言います! 『もう、いい』ですっ」
「却下」
そう妹の言葉をあっさり切り捨てた匠海に、ヴィヴィは不満の声を上げる。
「え~~っ!?」
自分の胸の上で可愛らしく唇を尖らす妹に、匠海は愛おしそうにその躰を優しく撫でながら囁く。
「やっぱり最後は、ヴィクトリアのすべすべの肌、全身で感じたいよ。駄目か?」
大好きな匠海からそんな風にお願いされたら、ヴィヴィだって出来る限り聞いてあげたくなる。
「……ふふ、いいよ。でも、優しくしてね?」
逞しい胸の上に両手を添え、兄の瞳を覗き込めば、くしゃりと屈託ない微笑みが返ってきた。
「了解。じゃあ、付け直すからいい子にしてろよ?」
「……はぁい……」
そう素直に返事したヴィヴィだったが、やっぱりコンドームを装着する匠海の背中を見ていると寂しくなってしまい、
「構って、構って~っ」
とその広い背中にちょっかいを出しまくった結果――、
結局、ヴィヴィは全裸で激しく抱かれる羽目となったのだった。
「も……、もう、いい……(-_-)zzz」
その夜のヴィヴィの最後の言葉は、それだったそうな。