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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第102章
掌の中の兄の顔がぴくりと震え、そっと唇を離したヴィヴィは、その瞳を覗き込む。
(大丈夫……。大丈夫だから……。
ちゃんと、愛してる……)
その気持ちを込めてまた互いの唇を触れ合わせれば、それはすぐに深いものに取って代わり。
自分を貪ってくる匠海に全てを預け、ヴィヴィはうっそりと灰色の瞳を閉じた。
(ああ、ヴィヴィ……、幸せ、だ……)
11月28日(土)。
深夜0時半。
きっちりと施錠された部屋の更に奥、誰も辿り着けない寝室。
ランプの灯った漆黒のベッドの上、1組の男女がまぐわっていた。
互いの肌は白く、特に組み敷かれた細過ぎる少女の躰は、黒いシーツとのコントラストで更に白く浮かび上がる。
真っ直ぐに伸ばした両脚ごと上から押さえ付けられ、深々と銜え込まされた男根に心身共に翻弄され、噎び泣き。
「ひぅっ!? ぅあ……っ ッ あっ いぁあああ……んっ!!」
切羽詰まった嬌声の数秒後。
一瞬の静寂を置いてがくがくと震えるその肢体を、覆い被さった逞しい躰が、まるで全て物から覆い隠す様に抱き込んだ。
「……っ ヴィク……トリアっ」
「……ぅ、……ッ ぁ――、はぁぅ……っ」
達した余韻で小刻みに痙攣し続ける妹を、匠海が宥める様に柔らかく撫で擦る。
「……大丈夫か……?」
「……っ じゃ、な……ぃ……」
「え?」
妹の返事に抱擁を緩めた兄が不思議そうにその顔を覗き込むと、抱き込まれていた両脚をシーツの上へと下したヴィヴィが、その潤んだ大きな瞳で見上げてくる。
「……大丈、夫……じゃっ ない……、もっとぉ……っ」
「もっと……?」
「……っ ……もっと、し、よ……?」
続きを強請るヴィヴィに、匠海は怜悧な瞳を心底幸せそうに細めた。
「ああ、そうだね。もっと気持ち良くなろうね?」
「……ん……、ぎゅ……、も、するの……」
そう甘えた声を出し、上に覆い被さっている兄に両腕を絡めたヴィヴィは、自分の薄い躰をぴたりと匠海に摺り寄せる。
どこまでも甘えん坊の妹に苦笑した匠海は、それでもしばらくそうして付き合ってくれていた。
(暖かい……。お兄ちゃん、お肌、気持ちいい……)