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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第102章            

 そして繋がったままの、そこも。

 妹と同時に達した兄の陰茎は、まだ逞しいままで、時折びくびくと震えていた。

 ヴィヴィが落ち着いたのを見計らい、匠海は小さな耳に囁きかける。

「ヴィクトリア、待ってて……」

「……抜いちゃう、の……?」

 眉をハの字にして心細そうな声を上げるヴィヴィに、匠海はその眉間にチュッと音を立ててキスを落とす。

「すぐに入れてあげるからね」

 眉尻を下げながらそう囁いた匠海は、ゆっくりとヴィヴィの中から出て行き。

 すぐ傍でこちらに背を向けた匠海は、ベッドサイドのチェストからコンドームを取出し、付け替えている様だった。

 美しく筋肉の浮き出た広い背中を、シーツの上から見上げていたヴィヴィだったが、

「おにいちゃん……っ はやく~……っ」

 そう甘えた声音で兄を急かす。

「ヴィクトリア。いい子だから、待っててね」

「おにいちゃんっっ」

 こちらを振り向きもしない兄にヴィヴィはむずがり始め、細い腕を伸ばしてその腰に掌を這わせる。

「待てってば」

「やっ こっち向いてっ」

「この、我が儘娘……っ」

 急かされてもたついてしまったのか、妹を窘める声を発した匠海の背に、ヴィヴィはささやかな乳房を押し付けながら縋り付いた。

「はやくぅっ」

「……――っ」

 匠海の大きな躰がびくりと大きく戦慄いたのを感じながら、ヴィヴィはとどめと言わんばかりに、兄の耳に唇を寄せて吹き込んだ。

「早く、ヴィヴィと、ひとつになろう?」

 そう、全てのしがらみを断ち切らせる、甘い誘惑を――。

「ヴィクトリア……っ」

 自分の名を呼ばれたと思ったその直後には、ヴィヴィの躰はシーツの上へと縫い付けられていた。

 そして焦ったように銜え込まされた陰茎に、「くぅん……っ」と仔犬の様な吐息を漏らす。

(ぁん……、さっきより、もっとおっきくて……、いいの……っ)

「あぁ……っ お兄ちゃんだっ」

 両腕を伸ばして上に被さる兄の首を絡め捕れば、匠海はぶるりと腰を震わせ、感極まった様に呻く。

「ヴィクトリア……っ 熱くてトロトロで、ああ……っ 気持ちいい、凄くいいよっ」

「ヴィヴィもぉっ」

 奥深くまで捻じ込まれた陰茎に、ヴィヴィの蜜を纏った肉ひだが、「もっと愛してっ」と強請る様に纏わり付いていた。

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