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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第102章
互いの愛を確かめ合う行為 = ストレス解消 というのは正直、罪悪感を覚えなくも無い。
(だって、すっきりして、落ち着くんだもん……。お兄ちゃんとすると……、安心して、大丈夫なんだなって、思えて……)
それも、兄に避妊具を着けて貰わない時の方が、その効果は顕著で。
「なんてエロい少女になったんだ……」
しみじみ呟いてくる兄に、ヴィヴィの中に急に恥ずかしさと、何故か情けなさといった感情が湧き上がった。
薄い唇を震わせて発したのは、匠海を詰る言葉で。
「お……っ お兄ちゃんが、そう、し……、躾けたんだもんっ」
けれど言葉とは裏腹に、ヴィヴィはまるで縋る様に片腕を伸ばし、匠海の太ももに布越しに触れる。
最初からずっと、ヴィヴィはコンドームをせずに、兄の全てをその身で受け止めるのが当たり前だった。
だからその当たり前を急に辞めると言われて、大切にされていると喜ぶ一方で、ヴィヴィは戸惑っていた。
「そうだよ……。中出しされて悦ぶ子に躾けたのは、俺だ……」
そう呟いた匠海の声には戸惑いが垣間見え、いつもならすぐに抱き締めてくれるのに、脚を投げ出したまま視線だけをヴィヴィへと向けていた。
「……きら……い……?」
兄の態度に不安を覚え、ヴィヴィの薄い胸が引き攣れる様に心臓へと向かって締め付けられる。
(こんな、えっちなヴィヴィ……、呆れちゃった……?)
匠海のチェックのパンツをきゅっと握り締めたヴィヴィのその手を、上から大きな掌が包み込んできた。
「馬鹿……。もう、大好き過ぎて、自分が抑えられないんだよ」
くしゃりと苦笑いしながらそう発した匠海の声はしっかりとしていて、ヴィヴィは少しだけ不安が払拭された。
「抑え、ないで……?」
「ヴィクトリア……」
ヴィヴィは空いていたもう片方の手も、兄の太ももに添えて見つめ直す。
「ヴィヴィ……、お兄ちゃんを、全身全霊で感じたいんだもん」
だから抑えないで欲しい。
全部受け止めるから。
心も躰も、愛情も苦悩も、自分では頼りないかもしれないけれど、ちゃんと匠海を受け止めたい。
兄がいつも、自分に対してそうしてくれたように――。