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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第102章            

 ヴィヴィの必死の気持ちが伝わったのか、匠海はその頭に大きな掌を乗せると、わしゃわしゃと少し乱暴に掻き回した。

「分かったよ……。でも、忘れないで。ゴムして欲しい時は、ちゃんと言うんだよ?」

 真っ直ぐに自分の瞳を覗き込んで忠告してくる兄に、ヴィヴィはこくりと頷く。

「うん。言う」

「絶対だぞ?」

 念押しする匠海に、ヴィヴィはもっと大きく頷いた。

「はい。絶対に無理はしないよ」

「いい子だ。おいで」

 やっとそう言ってくれた兄に、ヴィヴィはふわりと表情を緩めると、まるで猫が伸びをするように両腕を伸ばし。

 支えられながらシーツに横たえられ、隣に横たわった兄か這わせてくる掌に、強張っていた躰から力を抜いて行った。

「ヴィクトリアは、本当にどこもかしこも柔らかいな」

 ナイトウェア越しに辿られる躰の表層、擦り合わされる互いの額、鼻に、ヴィヴィは擽ったそうに瞳を細める。

「ほんと……?」

「うん。柔らかくて気持ち良くて、ずっと触れていたくなる」

「触れてて、欲しい……」

 間近にある兄の綺麗な瞳を覗き込みながら、ヴィヴィはそうおねだりした。

「じゃあ、受験が終わったら、毎日触り倒してやる」

「うんっ」

 受験や試合――自分の大切なものだけど、匠海との時間を奪ってしまうそれから解放された時。

 そんな甘い日々を夢見て、ヴィヴィは満面の笑みを浮かべた。

 妹の額に唇を押し当てた匠海は、その首の後ろに腕を差し込み、華奢な肩を抱き寄せ。

 もう片方の腕は腰から下を擦りながら、ゆっくりと膝丈のワンピの裾を手繰り上げ。

 大きな掌の感触を太ももに感じ、そして焦らす様にゆっくりと辿られた先――ショーツに包まれたそこに指が触れた途端、

 くちゅ。

 静かな寝室に微かに聞こえた蜜音で、ヴィヴィは初めて、自分が下着越しにでもそうなるほど濡らしていることに気付いた。

(……やだ……っ 恥ずかし……っ)

 その気持ちと共に兄の肩に顔を埋めれば、耳元で少し低めの声で甘く囁かれる。

「もう可愛いことになってるぞ? 指、入れてみようか?」

 ショーツに指を滑り込ませた匠海が、ヴィヴィの秘裂の上を指の腹でゆっくりゆっくり往復する。

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