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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第24章                         


「そうだね……恩に報いるためには、結果を残すことしかないから……」

 そう少し思い詰めたように返事をしたヴィヴィに、クリスは振り返ると何故か長い指先でむにっとヴィヴィのほっぺをつねる。

「な、なにしゅるの……?」

「重荷に感じちゃ、駄目……Powerに換えないと……」

 静かにそう忠告して手を放したクリスを見上げ、ヴィヴィは一瞬驚いた顔をしたが直ぐにその表情は笑みへと変わる。

「そ、だね……」

 にっこりと笑ったヴィヴィにクリスも小さく笑みを浮かべたその時――、

 双子の金色の頭に、後ろからゴスッと鈍い音を立てて拳骨が落とされる。何事かと振り返ると、男子シングルの田内刑事選手と女子シングルの村下佳菜子選手が立っていた。

「何二人の世界を作ってんだよ? 今日は団体戦だぞ、俺らも混ぜろ~」

 どうやら拳骨を落としたのは田内らしい。その傍らで村下がにひひと笑っている。

「そだよ~。絶対優勝しようね!」

 村下のその言葉に双子は大きくで頷く。

「じゃあ、コールされた時の円陣の練習しようぜ~」

 ジャパンオープンは日本 vs 北米 vs 欧州の三チームに分かれた対抗戦だ。試合の始めに選手紹介がされた時にチーム力をアピールするため、いつも円陣をしているらしい。

「すっごいのしようよ~!」と村下。

「しよう、しようっ!!」とヴィヴィ。

「すっごいのって…………」とクリス。

「例えば、こういうのは?」

 田内が皆を円陣にさせると、お決まりの「エイエイオー!!」という掛け声で片手を上に突き上げる。その後、各国の選手のほうを向いて、

「出てこいやぁ~っ!!」 

 と某格闘家のポーズを、背を反らせながら皆で決める――という案を出してきた。

「いやいやいやいや……」とクリス。

「っていうか、日本人相手じゃないと意味通じないって!」と村下。

「う~ん、でも会場は沸きそうだね~!」とヴィヴィ。

「そうだろ~っ? やい、お前らヴィヴィもこう言ってるんだから、やるぞ!!」

「「え゛~~……」」

 チームリーダーとしての権威を振るった田内に、村下とクリスはぶ~ぶ~と文句を言ったが、やがて試合のスタッフに「試合前の記者会見が始まりますよ」と促されると、「ま、いっか!」と笑顔になりリンクを後にした。





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