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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第103章
「ああ、ぐずるお前も大好物だよ」
そんな変質的な答えを寄越した兄に、ヴィヴィは驚きと共にくしゃりと顔を歪めた。
「……っ!? …………だっこ」
「ん?」
「抱っこ……、して……?」
両腕を匠海のほうへ伸ばしてそう強請った妹に、匠海は端正な顔に嬉しそうな表情を浮かべ、頷いた。
「ふっ ああ、おいで」
「……っ おにいちゃんっ」
ぺたぺたと足音を立てて兄のいるベッドに駆け寄ったヴィヴィは、両脚を開いていた匠海の胸の中に飛び込んだ。
(ふぇ~ん、やっと抱き締めて貰えたの……っ)
暖かな兄の躰が気持ち良くて、その首にきゅうと両腕を絡めたヴィヴィは、すぐに匠海の股の間に横抱きされて。
「おや、ちょっと冷えたね。ごめんな。フィギュアの女王に風邪ひかせたら、世界中から恨まれる」
ヴィヴィの脚からルームシューズを抜き取った匠海は、その爪先の冷たさに申し訳なさそうにそう謝ってきた。
「…………、違う、よ……」
「ん?」
「……ただの、ヴィヴィだもん……」
「ただの?」
「……お兄ちゃんといる時、は、ただの……ヴィヴィ」
兄の顔を下から覗き込んでそう主張したヴィヴィに、
「そうだね。俺の可愛い妹で、最愛の恋人だ」
そんな蕩けさせる様な返事を寄越した匠海に、ヴィヴィはもう我慢出来なかった。
「お兄ちゃん……、ヴィヴィのこと、暖めて……?」
黒いベッドの真ん中。
ベッドヘッドに凭れ掛かった匠海の腰の上に跨ったヴィヴィは、ベビードール越しに乳房を可愛がられながら、深い口付けを受け止めていた。
「……ふぁ……、ぉ……にぃ……っ んっ」
大きな両手で揉み込まれる小さな膨らみから、兄の暖かさとほんわりとした気持ち良さが伝わってくる。
互いの唇が細い糸を張りながら離され、兄の瞳を覗き込めば、灰色の双眸が火傷しそうなほどの熱さを孕みながら自分を見つめていた。
「ヴィクトリア……、柔らかい……」
「……おにい、ちゃん……っ」
乳房を弄る兄の吐息が熱くて、ぞくぞくと背筋を震わせたヴィヴィは、両腰を掴んで膝立ちにさせられ。
「ここは、どうかな……?」
そう悪戯っぽく囁きながら匠海が触れてきたのは、剥き出しのお尻で。
「あっ やぁん……っ」
「お尻もぷるんてしてて、気持ちいい」