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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第103章
「ああ、なんて可愛いんだヴィクトリアっ 後、4回はこのまま抱いてあげるよ。最後はもちろん、生まれたままのお前をね」
唇を離した途端、切羽詰まったようにそう宣告した匠海に、ヴィヴィの大きな瞳が胡乱なものに取って変わる。
「…………死にます☠」
(そんなにしたら、朝になっちゃいます……)
ぐったりしたヴィヴィに、匠海は譲歩案を提示してくる。
「これ、俺の誕生日にまた着てくれるなら、次で最後にしてあげよう」
「…………着ます☠」
すっかり兄の良い様にあしらわれた感のあるヴィヴィだったが、匠海がゆっくりと自分の中で動き始めると、それもすぐにどうでもよくなった。
枕の山に埋もれ、兄と深いところで交わり、それを時折目でも確認するように求められて。
両の太ももを押さえ込まれて突き上げられれば、もう殆ど無くなっていた理性は立ち消え。
そこに在るのは、ただ本能の赴くままに快楽を貪る自分と、その自分に溺れた様に、互いの性器を擦り合せる性行為に耽る兄。
互いに愛情を確認しあう行為というのは、下手をするとただ快楽を追い求めるだけの、野生の本能に従う野蛮な行為にも思えて。
少しの不安を覚えて兄の首に縋ったヴィヴィを、匠海は抱き寄せるとゆっくりと自分の腰の上に乗せた。
すっかり肌蹴てしまっている兄のバスローブの襟元に顔を埋めたヴィヴィだったが、細い両肩を掴まれて引き剥がされ。
潤んだ瞳で兄を見つめれば、匠海はヴィヴィの全てをまじまじと見つめながら、口を開く。
「はぁ……。俺、この世で一番の幸せ者かも……。こんなに愛らしいヴィクトリア、独り占めして、一緒に気持ち良くなれて」
その兄の言葉に、ヴィヴィはくしゃりと顔を歪めた。
「そんなの……っ ヴィヴィの台詞だもんっ お兄ちゃんは綺麗で、かっこ良くて……っ 意地悪だけど。とっても素敵なのっ ヴィヴィ、毎日幸せで、幸せ過ぎて、怖いくらいなのに……っ」
「本当に?」
何故かそう確認してくる兄に、ヴィヴィは泣きそうな顔で頷く。
「本当だよっ 大好きぃ」
「じゃあ、俺を大好きだっていう証拠見せて。俺をイかせて?」
「……っ う、うん……」
ヴィヴィは求められるまま、兄の腰の上で跳ね始めた。