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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第103章             

 自分の腰を拘束していた大きな掌が、徐々に細い腰を這い上がり、ゆっくりと兄の胸に抱き寄せられる。

 バスローブの襟元に顔を埋めたヴィヴィは、そこで深く呼吸を繰り返し、むせ返る様な兄の男としての香りを堪能した。

 しばらくそうして乱れる息を落ち着かせていた兄は、妹も落ち着いてきたことを確認すると、くつりと嗤う。

「俺、もう23歳なのに……、盛った中坊かっての」

「……? 気持ち良く、なれた?」

 抱かれたままそう尋ねたヴィヴィに、匠海は更にぎゅうと華奢すぎる躰を抱き込んで耳元で囁く。

「ああ。もう、お前は最高だよ」

「良かったぁ……」

 兄の声はとても気持ちが籠っていて、それを確認したヴィヴィは心底ほっとした。

「頑張ったヴィクトリアに、ご褒美あげないとな? 今度は俺が愛してあげるよ」

「ほ、んと……?」

「うん。ほら、このまま後ろ向いてごらん。そう……抜いちゃ、駄目だよ」

 左脚を兄の腰を跨いで右脚と揃えると、匠海に支えられながら、後ろに向けられ。

 目の前に広がる黒く広いベッドに、心細さを覚えたのも一瞬、

「後ろから揉まれるの、大好きだもんな、ヴィクトリアは」

 そう耳朶に吹き込まれながら、目の前で大きな掌が自分の乳房を、薄いシフォン越しに揉み込んできて。

「あふぅ……、ふぁ、ああっ」

 後ろから揉まれるのは本当に弱くて。

 背中に感じる兄の逞しい胸の熱さと、首筋に感じる濡れた舌と、そして下から掬い上げる様に可愛がられる乳房。

 その全ての刺激が、ヴィヴィの膣へと直結し、深く突き立てられた剛直を扱き、その硬さと大きさを再確認させられる。

「ヴィクトリア、愛しているよ」

「んっ ぁっ ぁあん……っ」

「ヴィクトリア、本当に、好きで好き過ぎで、困るくらい大好きなんだっ」

 そう囁いてくる兄の声が、まるで泣き出しそうなそれで、

「んぁっ あ、ヴィヴィもぉ……っ」

 兄の与えてくる全てに翻弄されながらも、ヴィヴィは何とかそう自分の気持ちを口にした。

「ありがとう……、ほら、もっと一緒になろうね」

 ヴィヴィの乳房を愛しながら、ゆるゆると腰を振る匠海は、やがて激しく妹を貪り始めた。

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